【新外国人】20HR&20盗塁のマルチロール? Lの新外国人オグレディ選手がどれだけ打てる?
以下一部敬称略
本格的に日も早く落ちるようになり、今年もいよいよ師走が近づいてきました。
日本シリーズはここ数年では考えられないほど盛り上がっており、歴代でもTOP10に入るくらいには面白いシリーズとなっています。
来年は是非ライオンズは日本シリーズの場に立ち、今年のような熱戦を繰り広げて欲しいですね。
そんなライオンズですが今年は例年よりも早く外国人選手を補強しており力の入れようが伺えます。
42年ぶりの最下位なので気合が違うといったところでしょうか。
ここまでの報道で獲得が確定したのは
①ブライアン・オグレディ外野手 (8000万)
左打ちの外野手・身長188cm体重100㎏前後と巨漢・29歳
②デートリック・エンス左投手 (1億円)
先発系の左腕・身長185cm体重95㎏とこちらも大きい・30歳
の2名です。
今回の記事では①ブライアン・オグレディ選手についてどんな選手なのか紹介し、どれぐらいの成績が残せるか予想してみたいと思います。
参考にしたサイトは以下の2つです。
英語ですがもしよければみてください。
Fangraph https://www.fangraphs.com/players/brian-ogrady/16729/stats?position=OF#pitch-type
Baseball savant https://baseballsavant.mlb.com/savant-player/brian-o-grady-657434?stats=statcast-r-zones-mlb
基本成績
まずは基本成績を確認してみます。
オグレディ選手が3Aに昇格しある程度の試合に出るようになったのが2018年からなので2018年からのデータをご紹介します。
3A
2018 .306 8 OPS.928
2019 .280 28 OPS.931
2020 —-
2021 .281 15 OPS.913
MLB
2019 .190 2 OPS.721
2020 .400 0 OPS1.000
2021 .157 2 OPS.600
概ねな打撃成績は上記のような感じで3Aでは安定してよい打撃ができています。
MLBでは残念ながら低打率で活躍しきれませんでしたが打率のわりにOPSが高いという特徴があります。
これは打率以外の要素(出塁・長打)に優れていることを示し見た目以上に良い打者といえそうです。
また、盗塁も3Aの3シーズンで35個決めており特に2019年には20HR&20盗塁も達成しています。
他に守備ではファーストからレフト・センター・ライトを守っており起用も柔軟に行えるといえるでしょう。
全体的に打撃・走塁・守備のどれもこれといった欠点がなく万能な選手
というのが概要成績から分かるオグレディ選手の特徴です。
詳細成績
打球方向と角度
ただそんな概要成績は色んな記事になっているのでこのブログではさらに詳細に見たいと思います。
まずは打撃の打球傾向についてです。
オグレディ選手のMLB3年間の打球傾向としてはっきり言えるのが
・プルヒッター
・フライヒッター
の2点です。
彼は引っ張りの打球が通算で50%近くあり、平均が36%ほどであることを考えるとかなりのプルヒッターといえます。
また逆方向への打球割合も平均より10%低く、まず流し打つ打者ではないでしょう。
次にフライヒッターという点ですが、こちらも平均と比べるとゴロの打球の割合が10%も低くフライの打球が10%ほど多いという点から言えます。
ポップフライの打球も平均の倍あり打球角度はかなりつけるタイプの打者です。
実際に平均打球角度も見てみると22度を超えており平均の倍近くあります。
ある意味典型的な外国人選手打者といえるかもしれません。
打球の強度
続いて最近ホット(?)な打球強度について見ていきます。
打球強度とはなんぞやと思うかもしれませんが基本的には打球速度です。
オグレディ選手の打球速度は3年間で約143キロとメジャーの平均をやや上回っています。
ヤクルトさんが公開しているホークアイのデータによるとヤクルトのチーム平均が137.5キロとのことです。
データ元(https://www.yakult-swallows.co.jp/players/category/infielder)
ヤクルト打線の強い打球の割合はリーグ平均ぐらいなのでNPB全体でも130キロ後半と予想されます。
もちろん測定方法の違いは考慮されますが基本的にNPBの打者よりも強い打球を打つことを期待できそうです。
他にバレル率という指標で打球を評価してみます。
バレル率は簡単に言うとヒット・長打になりやすい打球を打つ確率です。
ちなみに大谷選手のバレル率は22.3%です。(平均は6.6%)
さすがに大谷選手は比較の対象になりませんがオグレディ選手も通算で7.7%と平均を上回っています。
2021年は5.6%と平均以下でしたが60打席ほどなのでそこまで気にしないでもいいと思います。
実際にフライのうちホームランになるフライの打球の割合は12%と平均ほどでしっかり角度をつけたときに飛ばせる力はあるといえるでしょう。
アプローチ
次に打席でのアプローチについて見ていきます。
まずは基本であるBB/Kについてですが
3A
2018 0.31
2019 0.38
2020 —-
2021 0.42
MLB
2019 0.24
2020 0.00
2021 0.47
という感じで3Aでも0.50を超えたことがなく特別よくはないことがわかります。
ただしBB%(四球を選ぶ割合)は10%を超えており選球眼が悪いというより三振が多いタイプです。
実際に空振り率を見てみると平均よりも1.5倍のペースで空振りしており打球速度の代わりにミートを犠牲にしていると言えます。
しかしブンブン丸というわけでもありません。
ボール球スイング率は年々低下し2021年にはどちらも平均以下となりました。
このことからオグレディ選手のアプローチは決して悪くはなく、ストライクの球を強振し長打を狙うという合理的なスタイルであることがいえます。
積極性もないわけではなく、初球のスイング率も平均よりも上でしっかり狙いを絞って打っていける打者です。
気持ちとしては空振りをする栗山選手みたいな感じでしょうか。
とりあえずはアプローチ面で躓くという可能性は低めといえるでしょう。
走塁・守備
最後に走塁と守備について見ていきます。
まずは走塁ですがスプリントスピードは秒速8.5mありメジャーの平均よりも上回っています。
ものすごく平均よりも速いわけではないですが少なくとも弱みにはならないといえます。
盗塁成功率もここ2年の3Aでは80%を超えており単に足が速いだけではありません。
走塁全体で見てもMLBで出番は少ないながらも確実に成果を出しており走塁でマイナスになる可能性は薄いでしょう。
守備はMLBで200イニングも立っていないので何とも評価できませんが一応外野でプラスです。
ただそのプラスのほとんどをレフトで稼いでおりライトでマイナスなので守備がうまいとは言えないかもしれません。
足は前述したように速めなのに昨年は守備範囲がマイナスだったので少し守備はなるべく固定して慣らすのが大事かなと思われます。
スパンジェンバーグ選手との比較
ここまで打撃や守備などについて色々といってきましたが少しイメージしにくいかもしれません。
そこでちょうどスパンジェンバーグ選手がMLBからライオンズに加入してきていたので比較していきます。
なんとなくスパンジェンバーグ選手と合わせてどんな感じかイメージできるといいかなと思います。
(比較は通算で行います・打球速度はマイル)
指標 オグレディ選手(スパンジェンバーグ選手)
打球速度 89.1 (87.2)
打球角度 22.1 (7.1)
引っ張り率 47.7%(37.4%)
ゴロ/フライ 0.58 (2.03)
Hard% 35.4%(29.4%)
バレル率 7.7%(3.8%)
空振り率 33.7%(27.1%)
BB/K 0.34 (0.22)
スイング率 47.8%(48.4%)
ボール球スイング率 29.3%(31.2%)
走塁得点 0.8 (13.2)
守備得点 0.6 (-4.0)
前述したような指標での比較は上記のようになります。
全体的にスパンジェンバーグ選手がゴロ性の打球を多く打つラインドライブ系の打者と言えました。
たいしてオグレディ選手は典型的なフライヒッターで引っ張り傾向も強く全く別のタイプの打者といえます。
またデータはスパンジェンバーグ選手よりも少ないですが打撃はスパンジェンバーグ選手よりも良好な成績を残しています。
なので期待値としてはスパンジェンバーグ選手よりも高く見積もっていいかなと思われます。
(ただしスパンジェンバーグ選手は日本に来た後はなぜかフライヒッターになったのであくまで参考程度です)
長所と短所
さてここまで詳細な成績と比較などを行ってきましたがこの項目ではざっくり長所と短所をまとめていきたいと思います。
まずは長所です。
①打球が強くパワーは十分
②守備は悪くなく走塁もよい
③アプローチがよく四球を多く選べそう
この3点が上記から踏まえた長所になります。
また上の項目では紹介しきれませんでしたが、
④左打者でありながら左に強い
ことも魅力です。
やはり左が打てないと起用の幅が狭まってしまいますがオグレディ選手にはそこまで心配しなくていいでしょう。
ボールの見極めは少し悪くなりますがその分長打も多いので実は左の方が本人は打ちやすいのかもしれません。
反面弱点が
①打球が上がりすぎる
②空振りが多すぎる
というところになります。
どちらも長打の必要経費なので根本的にまずいと言うことはないですが首脳陣の理解が必要な点だと思われます。
弱点のどちらもが日本の野球的にあまり推奨されないことですがじっくり見ていってあげたいところです。
ただ上述した以外の要素で大きな心配要素があり、それは
③フォークに弱い
という点です。
メジャーではフォークは2%ほどしか投げられないため、長打を狙う打撃ができていました。
ただし日本ではフォークは8%ほど投げてくるため対策は必須です。
ストレートやスライダーを空振りした、ポップフライにしたぐらいなら別に気にしなくてもいいでしょう。
しかしフォークに翻弄され低めのボール球にも手を出すようになった場合は要注意です。
その場合は2軍での調整も考慮するべきでしょう。
成績の予想
それではここまでを踏まえてオグレディ選手の成績を予想してみます。
多分打率とか打点とかを想像されるかと思われますが打点とかは正直打順に寄るので予想はしません。
それに打撃により本質的なことを言うならOPSの方が優れているのでOPSで予想をすることとします。
それでは早速ですが成績は
打席 300~600
打率. 230~.290
出塁率 .330~.380
長打率 .380~.540
OPS .700~.950
走塁 ややプラス
守備 大体平均 (ライトなら少しマイナス)
と予想しました。
やや幅が広いですが95%はこの範囲に収まると考えてのものです。
一応最も可能性が高い成績としては
打席 500
打率 .265
出塁率.350
長打率.450
OPS .800
走塁・守備 トントン
と考えています。
イメージとしては守備がよくて3塁打が少ないスパンジェンバーグ選手です。
1年目と2年目を併せたような感じになると予想してます。
さらにフォークへの対応がうまくいけばリーグでもかなり上位の成績が残せるのでは考えています。
ただそのためにも我慢が必要だと思います。
前述したようにフライヒッターなのでオープン戦や序盤で高打率を残す確率は低く、見た目の成績は悪くなる可能性が高いです。
さらに空振りも多いため先入観にとらわれて左に出さない、といった起用をすると実力を十全に発揮できないことも想定されます。
・フライヒッター
・引っ張り傾向
・空振りが多い
と日本の指導者に嫌われそうな要素が満載ですがどれも長打のために仕方がないことです。
そもそも打率は運の要素が大きいため、選手の実力を測るのに不適当です。
ファンも首脳陣も打率ではなく、BB/Kや長打率、OPSなどで本質的な打撃に目を向けじっくりと見てあげる必要があるでしょう。
そんなに外国人選手をじっくり見る必要があるのか?
と疑問に思うかもしれませんが個人的には十分に価値があると考えています。
まず大前提としてOPS.800を超える期待が持てる打者がほとんどいません。
さらに守備も悪い若手が多く、総合的に外野全てがとんでもない大穴になっています。
もちろん期待をする分にはいいですが愛斗・若林・岸選手などが攻守両面で活躍する確率はそこまで高くありません。
せいぜい1ポジションで誰かが定着するのが限界である可能性が高いですし大きなプラスも望みにくいのが現状です。
反面オグレディ選手の場合は例えばライトなら+20ぐらいまでなら期待できるポテンシャルを持っています。
最低限±0にまで持っていける可能性が高く、定着さえ果たせばチームの貯金を10個増やすぐらいの貢献ができるでしょう。
・オグレディ選手を積極的に外したいと思える若手がほとんどいないこと
・さらに成果が出るまでに時間がかかりそうなこと
・成果が出た場合チームにとって大変大きな戦力になりうること
これらを考慮してじっくり見るという選択肢を取るべきと考えています。
といったところで今回の記事、オグレディ選手の成績の予想と紹介は終わりにしたいと思います。
是非大活躍をしてチームを日本シリーズに導く先導者になってほしいですね。
ここ2週間ほど投稿ができず申し訳ありませんでした。
最近時間が取れるようになったのでまたちょこちょこと書いていきたいと思います。
オフシーズンもお付き合い願えればと思います。
それでは
(^O^)/バイバーイ
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