ドラフト2022 各球団の補強ポイントと指名を徹底分析【パリーグ編】

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ドラフト会議まであと数日とせまり、ネット上でも指名の考察などが盛んになってきました。

今年はすでに6球団が1位指名を公言するなど例年になく駆け引きが行われている印象です。

実際ドラフトの成功か否かなどはその場での印象論が多く、事前にどういった指名をするべきなのかという論理的な記事はあまりないように思われます。

そこで今回の記事では数値的に考察し、どんな指名がその球団にとって成功に近いかというのを考察していきたいと思います。

数値的に検証する、今までにない視点でドラフト会議を見たいという方は是非最後まで見てみてください。

今回はパリーグ編ということでパリーグ6球団を考察します。

セリーグも見たい場合はコメントなどで反応をください。

ドラフト理論

まず各球団の指名を考察する前にドラフトの王道というものを抑えておきましょう。

「そんなものあるのか?」と思うかもしれませんがちゃんとあります。

詳しいことは以下の記事を見て欲しいのですが、例えば

・5位以下の野手で活躍したのはその多くが社会人選手 だとか

・下位でとっても高校生投手は大化けする選手が多い

ということがわかっています。

グラフを見ると大まかな傾向は見て取れますね。

縦軸が1人当たりのWAR 横軸が順位 データはhttps://1point02.jp/op/index.aspxより引用
※WARとは…選手の貢献度を打撃・守備・走塁・投球のすべてから計ったもの 高い方がよい



簡単にまとめると野手は

高校生ー
1位に推せる選手がいるなら1位で 
最低限4位までに指名すること 
5位以下で指名は基本厳禁

大学生ー

高校生と同じ 
なるべく4位までに指名

社会人ー

比較的下位でも活躍する選手が多い 
上位では大学生・高校生を優先すべきだが指名自体はアリ

投手は

高校生ー
下位でも上位指名並みに活躍できる選手もおり、上位指名のリスクが高め

大学生ー

1位は大活躍が期待できるが他は割とどこで指名しても変わらないためどこでも指名できる

社会人ー

どこでも指名できるができれば3位以上で獲得したい

という形になります。

また一般にペナントレースでは投手よりも野手の影響が大きいため、下位で投手を当て上位で野手を指名できる環境を作ることが大切と言えます。

特に野手は投手に比べ時間がかかる(野手が高いWARを記録するのは2~3年後からが多い)ので主力が元気だとなかなか指名する気にならず、投手に行ってしまうかもしれません。

しかしそのつけは数年後に確実に、ボディブローのように効いてきます。

野手は毎年上位4人のどこかでできれば2人ほどは毎年指名をするべきという考えを私は持っています。

そのため以下では各球団の指名予想をしますが4位までに野手は2人、下位で指名するなら社会人の選手をいれることにしています。

投手に関しては毎年放置していると大体WARが3ほど減少すると考えられるためもちろんある程度の指名は必要だと考えています。

具体的には入団してきた選手のうち各属性で稼げるWARは

高校生が1.30ほど

大学生が2.50ほど

社会人が1.50ほど

なのでマージンを取ることも考えて高校生・社会人のポイントを1、大学生を2とし合計で4ポイント超えるような指名がいいと考えます。

例)高校生2人、大学生1人→4ポイント

以下毎年投手WARが3ほど減ると考える根拠となる記事

https://1point02.jp/op/gnav/column/bs/column.aspx?cid=53486

こういった考察から仮に6人をドラフトで指名する場合、理想の指名は例として

1位 大学生野手

2位 大学生投手

3位 高校生野手

4位 社会人投手

5位 高校生投手

6位 社会人野手

というような形になります。

この指名を雛形としていくので軽く押さえておいてください。

各球団が指名したいポジションの選定(例…西武)

それでは次にチームの状態を確認し、強み弱みを確認し指名すべきポジションを選定していきます。

強みと弱みと補強ポイント

選定方法はまずは以下の図のように各球団の戦力を図にします。

例としてライオンズを紹介します。

図はhttps://ranzankeikoku.blog.fc2.com/https://ranzankeikoku.blog.fc2.com/のデータを参考に作成

この図は各ポジションごとに戦力を評価したもので
上に出ているポジションほど強み
下に出ているポジションほど弱みとなっています。

この中で特に著しく弱点であるポジション、具体的にはマイナスが-15以上あるポジションを弱点ポジションとします。

またその守備位置を最も多く守った選手の年齢が29歳以上の場合、翌年以降の成績低下が顕著なため(※上の記事参照)そのポジションは後継者ポジションとします。

指名したいポジションはこの弱点ポジションと後継者ポジションを併せたポジションです。

投手に関しては上で紹介した記事にもあるように基本的には成績が落ちていくので4ポイントを確保できるように指名します。

上の例で挙げたようにライオンズだと

弱点ポジションは

・ライト

・レフト

の2ポジションになります。

また後継者ポジションは(敬称略)

・ファースト(山川)

・セカンド(外崎)

・サード(中村)

・ショート(源田)

・レフト(オグレディ)

となっており、内野も外野も補強したいということがわかります。

というか結構まずいチーム状態ですね…。

ちなみに例えば2軍に超有望株の選手がいれば指名しなくてもいいかもと思うかもしれません。

ただ超有望であったとしてもその後活躍する保証はどこにもなく、また超有望の定義も難しいので今回はそういった要素は省きます。

こういった分析から今年のドラフトでライオンズが指名したいポジションは内野も外野も投手も欲しいということがわかります。

具体的な指名については以下のようなものだと理想と思われます。()には個人的に欲しい選手を書いてますが指名順位とかは特に考えていませんのでご了承を。

仮想指名と論評

1位 大学生外野手(蛭間(早 大))

2位 大学・社会人内野手(村松(明治大))

3位 大学生投手(青山(亜 大))

4位 社会人内野手or外野手(中山(三菱E)三井(大ガス))

5位 高校生投手(大野(大島高))

6位 高校生投手(金子(花徳栄))

とにかく後継者が欲しい内野手とわかりやすい穴である外野と両確保を目標にいい選手をとりやすい上位に野手を固めました。

投手に関してはまだ不安がある(先発は実際マイナス)ものの、ペナントは野手が基本でありまた多くの選手がFAを控えています。

そのため野手を優先して指名することとしました。

高校生野手もいい選手はいますが現状高校生野手が育っておらず今の苦境を招いていると思っているので今年はナシで考えています。

このようにして12球団を分析していきます。自分の贔屓球団からどうぞ見てみてください。

※指名予想は全球団6人とし、育成指名などは考えていません。また指名選手も適当なのであてにしないで下さい。

※選手リンクはドラフトレポートの各選手記事

オリックス

強みと弱みと補強ポイント

弱点ポジション

・ショート

・その他(走塁や代打など)

後継者ポジション

・キャッチャー(伏見選手)

・セカンド(安達選手)

・センター(福田選手)

・ライト(杉本選手)

仮想指名と論評

1位 大学生投手(曽谷(白鴎大))

2位 大学・社会人内野手(友杉(天理大))

3位 大学生捕手(野口(名城大))

4位 高校生投手(門別(東札幌))

5位 大学生野手(杉澤(東福大))

6位 社会人投手(関根(ENEOS))

連覇しただけあってとんでもない大穴はショート以外存在しない。

ただ補強したいポジションがセンターラインに固まっており、ここを守れる選手は指名したいところ。

特にショートは若い紅林選手がいるが穴になってしまっており、セカンドも安達選手が多くを守っている。

このことから二遊間を守れる選手は上位で確保したく、外野もひっ迫はしていないが若い人材が欲しい。

そういった面から捕手も含め野手3人指名を想定した。

投手に関しては最近はかなり層厚く育成ができていることや1位で公言した曽谷選手が結構いい大学成績を残していることを踏まえやや下位に固めた。

ドラフトよりどちらかというとここ10年単位でも最悪レベルの走塁を改善することの方が優先かも?

また見てわかる通り捕手はかなりいいため森選手の獲得は正直割に合わないと思われる。

弱点の観点からはロッテの中村選手の方が合っているかもしれない。

ソフトバンク

強みと弱みと補強ポイント

弱点ポジション

・なし

後継者ポジション

・キャッチャー(甲斐選手)

・ファースト(中村選手)

・ショート(今宮選手)

・センター(牧原選手)

・ライト(柳田選手)

仮想指名と論評

1位 高校生内野手(イヒネ(誉高))

2位 社会人投手(小孫(鷺宮製))

3位 高校生外野手(西村(京外西))

4位 高校生投手(門別(東札幌))

5位 大学生投手(松山(八学大))

6位 高校生投手(大野(大島高))

指標上今年最強チームなだけあり弱点ポジションはなし。

後継者ポジションもひっ迫しているのは柳田選手のライトぐらいで安定感抜群。

その中でそろそろ後継者が欲しいショートと言うことでイヒネ選手を狙うのは非常に合理的

センターラインを守れる選手が複数存在し誰かに依存しているということもないのでやや投手を優先した。

特に千賀選手の海外移籍の可能性がある以上2位ではしっかり働けそうな社会人投手を想定。

一応外野は2か所後継者ポジションがあるがまだ働けそうな選手たちなので高校生を指名。

見た目以上に戦力があるため即戦力というより将来的なドラフトの方が今年はいいだろう。

楽天

強みと弱みと補強ポイント

弱点ポジション

・先発

・ファースト

後継者ポジション

・捕手(炭谷選手)

・ファースト(鈴木選手)

・セカンド(浅村選手)

・レフト(西川選手)

・ライト(島内選手)

仮想指名と論評

1位 大学生投手(金村(富士大))

2位 社会人投手(小孫(鷺宮製))

3位 大学生内野手(山田(立教大))

4位 高校生投手(門別(東札幌))

5位 社会人投手(臼井(東ガス))

6位 社会人外野手(藤井(NTT西))

積年の課題だった捕手がプラスになったがその代わり?に先発がものすごい穴に。

そのため大学生以上の投手を3名以上指名することを想定。

またセカンドやファーストも守れる人材が欲しいためこのあたりをできる選手も欲しいところ。

現状外野はやや高齢化しているもののセンターの辰己選手が一本立ちしているため上位を使うほどではない。

ただ両翼はやや年齢も来ているので1人は欲しいか。

先発やファーストがわかりやすい穴ではあるがこれらは外国人選手で補強しやすいところでもある。

ゆえにそれ以外の、特にセンターラインで大きな強みを作れる内野手を3位以内では欲しいかもしれない。

ロッテ

強みと弱みと補強ポイント

弱点ポジション

・ショート

・指名打者

後継者ポジション

・ファースト(井上選手)

・セカンド(中村選手)

・ショート(エチェバリア選手)

・レフト(荻野選手)

・ライト(マーティン選手)

仮想指名と論評

1位 大学生内野手(田中(亜 大))

2位 高校生投手(山田(近江高))

3位 大学生投手(仲地(沖縄大))

4位 社会人投手(吉野(トヨタ))

5位 社会人内野手(佐藤(トヨタ))

6位 社会人外野手(藤井(NTT西)

とにもかくにも年齢・弱点という面からショートの指名はしたい。

とりあえず1位である程度やれそうな選手を指名したうえでさらにもう1人獲得してもいいぐらいだ。

これはFAするにしてもしないにしてもセカンドの中村選手の後継者問題があるためだ。

また外野も穴はそこまで大きくないがさすがにいつまでも荻野選手に頼っていられない。

彼が健康なうちに最低限ライトでレギュラーが欲しいという観点から1人指名を想定。

投手が佐々木選手がいた割には強みになっておらず枚数が足りないという状況なため中位は投手中心

指名打者がとんでもないことになっているがそこは外国人の起用や井上・山口選手のファースト争いからいい意味で落ちたほうでカバーしたい。

日本ハム

強みと弱みと補強ポイント

弱点ポジション

・セカンド

後継者ポジション

・なし

仮想指名と論評

1位 大学生外野手(矢澤(日体大) )

2位 高校生内野手(内藤(航石川))

3位 高校生投手(齋藤(盛中央))

4位 大学生投手(青山(亜 大))

5位 社会人内野手(平良(NTT西))

6位 社会人投手(臼井(東ガス))

なんと29歳以上で各ポジションを最も多く守った選手がいないという偉業?を達成。

そのため指名は純粋に弱点補強に使うことができる。

ただマイナスのポジションは多いとはいえ致命と言えるものもほぼなくせいぜい内野の選手と近藤選手次第では外野ぐらい。

そのためややポテンシャル重視で高校生を中心に指名しつつ、下位でセカンド補強を想定。

相対的に若い選手が多く、今後伸びる可能性も十分にあるチーム。

ただそれは近藤選手がいること前提であり、現状は松本・近藤・上川畑選手の3本柱状態であることは念頭に置きたい。

来年は新球場ということもあり、近藤選手さえいれば思ったよりは上位への期待も高いチームだ。

最後に

多分あまり今までにない視点でドラフト会議というものを考察することができたと思います。

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