【ドラフト】東都の首位打者 川村啓真の打撃はトップクラス!? 注目すべき2つの指標
以下一部敬称略
2021年のドラフトでライオンズは総勢10名の選手を指名しました。
その比率は
投手:5名(左4名)
捕手:2名
内野:2名
外野:1名
と全体的にバランスよく整えたという感じで、投手は左が主でした。
取った選手の質も前評判としてはかなり良いもので、私が行ったアンケートでは
95点
と非常に高い点を記録。
私が独自にデータ的に採点したケースでも85点と12球団の中で2位の非常に良い点数で、来季への期待が非常に高まるドラフトといえるでしょう。
⇩ドラフト採点記事
唯一の不満点をあげるとするなら、下の記事でも述べているように外野は悲惨といえる状況なのにも関わらず本指名がなかったことでしょうか。
ですが育成で最後に指名した男がその不満点を消し去ってくれるかもしれません。
今回は指名最後の男、川村啓真選手を大学時代の成績から打力を分析。
東都大学野球連盟出身で活躍している選手と成績を比較しながら彼の持つ特筆すべき2つの長所をご紹介したいと思います。
※大学時代の成績はドラフトレポート(https://draftrepo.blog.fc2.com/)より
※いいところばかりは書いていません ご了承ください
川村啓真
カタログスペック
・2年生後期から完全にレギュラー定着
・21春は首位打者&ベストナインを獲得
・東都通算7本塁打と上位の長打力
・遠投80m 50m 6.8秒
・身長173cm80kg
身長のわりに体重が重めの打者。
打撃に関しては首位打者などを獲得するなど非常に素晴らしいものを持っています。
甲子園も経験し、本塁打も記録しているなど打撃は高校時代から注目されてました。
また高校時代は捕手を経験するなど完全に純正な外野手というわけではなさそうです。
守備や走塁に関しては少なくともカタログスペックからは優れているとは言いにくく、大学時代もポジションは概ねライトでした。
このため「野手」として指名したというよりは「打者」として指名したように思えます。
大学時代の成績
そんな「打者」川村啓真選手の大学時代の成績は以下の通りです。
打率 | 打 | 安 | 本 | 振 | 球 | 出塁率 | 長打率 | OPS | 三振率 | 四球率 | ISO | |
18春: | 0.294 | 34 | 10 | 0 | 6 | 10 | 0.455 | 0.324 | 0.778 | 13.6% | 22.7% | 0.029 |
18秋: | 0.185 | 27 | 5 | 0 | 6 | 6 | 0.333 | 0.222 | 0.556 | 18.2% | 18.2% | 0.037 |
19春: | 0.000 | 16 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0.000 | 0.000 | 0.000 | 6.3% | 0.0% | 0.000 |
19秋: | 0.231 | 39 | 9 | 2 | 7 | 9 | 0.375 | 0.487 | 0.862 | 14.6% | 18.8% | 0.256 |
20春: | 中止 | |||||||||||
20秋: | 0.273 | 33 | 9 | 2 | 11 | 12 | 0.467 | 0.515 | 0.982 | 24.4% | 26.7% | 0.242 |
21春: | 0.417 | 36 | 15 | 3 | 6 | 12 | 0.563 | 0.750 | 1.313 | 12.5% | 25.0% | 0.333 |
21秋: | 0.160 | 25 | 4 | 0 | 6 | 5 | 0.300 | 0.200 | 0.500 | 20.0% | 16.7% | 0.040 |
通算: | 0.248 | 210 | 52 | 7 | 43 | 54 | 0.402 | 0.405 | 0.806 | 16.3% | 20.5% | 0.157 |
3年以降 | 0.298 | 94 | 28 | 5 | 23 | 29 | 0.463 | 0.521 | 0.985 | 18.7% | 23.6% | 0.223 |
21春に首位打者を獲得したとはいえ、本質的には率を残すというよりは長打力と選球眼に優れた打者のようです。
特に四球率は7期のシーズンのうち、完全に不調だったといえる19春を除きすべてのシーズンで16.7%を超えるなど卓越したものがあります。
前にご紹介した古賀選手と同じく三振も四球も多いタイプですが、
古賀選手は三振>四球 だったのに対し
川村選手は三振<四球
とゾーン管理力は大変優れていると言えます。
加えて言えばほぼ全ての期においても三振<四球なので好調だったからということもなく、本質的に優れていると考えられます。
また19春まではほとんど長打を打てませんでしたが19秋以降は長打力が開花。
絶不調だった21秋を除きISO(長打力を示す)も.200を超えるなどかなりの高水準を記録しました。
打者の能力を反映しているといわれる指標は
・三振率
・四球率
・ISO
と言われています。(https://note.com/baseball_namiki/n/nbada8c67da84)
このことを踏まえるとそれらの指標においてかなり良い成績を残している川村選手は大変有望といえるでしょう。
打率は最近のシーズンのみを抽出しても.298ととびぬけた数値ではありませんが、打率は打者の実力をあまり反映しないのであまり気にしなくても大丈夫でしょう。
先輩打者との比較
それでは東都出身でプロで活躍している選手と数値を比較してみましょう。
今回サンプルとして考える選手は
・吉田正尚
・牧秀吾
・鈴木大地
・京田陽太
の4選手です。
彼らの大学時代の通算の成績と3年生以降の成績を比較した結果が以下の通りになります。
打率 | 打 | 安 | 本 | 振 | 球 | 出塁率 | 長打率 | OPS | 三振率 | 四球率 | ISO | |
川村通算 | 0.248 | 210 | 52 | 7 | 43 | 54 | 0.402 | 0.405 | 0.806 | 16.3% | 20.5% | 0.157 |
吉田通算 | 0.305 | 364 | 111 | 17 | 41 | 48 | 0.386 | 0.492 | 0.878 | 10.0% | 11.7% | 0.187 |
牧通算 | 0.285 | 288 | 82 | 5 | 37 | 46 | 0.383 | 0.431 | 0.814 | 11.1% | 13.8% | 0.146 |
鈴木通算 | 0.289 | 308 | 89 | 3 | 30 | 39 | 0.369 | 0.393 | 0.762 | 8.6% | 11.2% | 0.104 |
京田通算 | 0.289 | 381 | 110 | 1 | 46 | 27 | 0.336 | 0.365 | 0.701 | 11.3% | 6.6% | 0.076 |
打率 | 打 | 安 | 本 | 振 | 球 | 出塁率 | 長打率 | OPS | 三振率 | 四球率 | ISO | |
川村3年 | 0.298 | 94 | 28 | 5 | 23 | 29 | 0.463 | 0.521 | 0.985 | 18.7% | 23.6% | 0.223 |
吉田3年 | 0.361 | 180 | 65 | 11 | 13 | 37 | 0.470 | 0.589 | 1.059 | 6.0% | 17.1% | 0.228 |
牧3年 | 0.370 | 119 | 44 | 5 | 12 | 26 | 0.483 | 0.630 | 1.113 | 8.3% | 17.9% | 0.261 |
鈴木3年 | 0.305 | 190 | 58 | 2 | 18 | 24 | 0.383 | 0.411 | 0.794 | 8.4% | 11.2% | 0.105 |
京田3年 | 0.316 | 212 | 67 | 0 | 21 | 18 | 0.370 | 0.415 | 0.785 | 9.1% | 7.8% | 0.099 |
プロでも打撃で活躍しているといえる吉田・牧・鈴木選手と比較しても四球率はダントツで高い打者と言えそうです。
また、長打力もプロで20本以上の本塁打を記録した吉田・牧選手とかなり近い水準の数値をマークしておりかなり期待が持てるといえるでしょう。
ただし三振率は比較対象の4人と比べると2~3倍高くややコンタクト能力は低いように思われます。
打率も.300に到達していないことも踏まえるとややミスショットが多いのかもしれません。
四球率が高いのも早いカウント仕留め切れなかったためとも考えられるので、ミート力の向上というのがプロに入ってからの課題となりそうです。
まとめ
まとめると
・首位打者を獲得したものの本質は長打と選球眼に優れた打者
・長打力と選球眼は東都の先輩である吉田・牧選手にも負けない
・やや三振が多くミート力が課題
・守備や足はスペック的にはあまり期待できなさそう
前回までに紹介した隅田・佐藤・古賀選手のようにパワプロ風に能力設定をすると
弾道 3
ミート E 40
パワー D 55
走力 F 38
肩力 D 50
守備力 F 30
捕球 E 40
特殊能力
選球眼
(あくまで筆者の主観によるものなので「ほーん」ぐらいで流してください)
というところになるかなと思われます。
アマチュア時代に注目したい指標である
・三振率
・四球率
・ISO
のうち、四球率とISOにおいてかなり上等の成績を残していることが注目点です。
このため守備走塁は2軍で改めて鍛えたいところではありますが、打撃に関しては今年指名された大学生野手3人の中では1番だと思われます。
ご紹介したようにややコンタクト能力には難があるので水上選手のようにいきなり1軍デビューというのは難しいかもしれません。
しかし1年目からファームでよい成績を残し、オフに支配下登録という可能性は十分にあるでしょう。
目標としては
1年目:打撃でアピールしつつ、守備走塁を1軍でも通用するほどに鍛える
2年目:打撃のアピールにより支配下登録 1軍に昇格
というところになると思われます。
具体的に数値にすると
1年目:三振率 20% ISO.200 OPS.800
2年目:三振率 15% OPS.900
といった成績を残せると大変順調なステップアップといえるでしょう。
育成4位とは言え持っている打撃ポテンシャルは非常に高いバッターです。
水上選手のように最下位指名からの逆襲というのも大変期待できますし、球団としても大変美味しい選手を獲得できたと思います。
同学年の選手も非常に多いので互いに切磋琢磨しつつ、ケガには気を付けてプロでは頑張って欲しいですね。
これで大学生で紹介していないのは6位の中山誠吾選手だけになりました。
またすぐにまとめてから高校生たちを解説していこうと思っています。
他に佐藤選手も最近登板したようなので情報更新も行っていきます。
もしよければブックマークでもつけて待っていただければと思います。
それでは
(^O^)/バイバーイ
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ついでに川村選手の指名された瞬間の動画をどうぞ。
國學院大學が凄くいい雰囲気なんだなあと感じる動画です。
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