【ドラフト】2021年大学NO.1キャッチャー 古賀悠斗の2つの長所と2つの弱点

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以下一部敬称略

2021年のドラフトで、ライオンズは3人のドラフト1位を獲得したとファンの中で話題になりました。

1人は4球団競合の奪三振マシーン左腕、隅田選手

同じく左腕のドラフト2位 佐藤選手

そして最後の1人が今回ご紹介する古賀悠斗選手です。

古賀選手は大学NO.1キャッチャーと評され、特にその守備力はプロでも十分にやっていけるレベルと評されています。

打撃も光るものがあるとされ、なんやかんや森選手に依存している捕手の底上げを期待されます。

また、あまり考えたくないことですが森選手がFAでいなくなった場合の正捕手候補としても期待がかかります。

今回はそんな古賀選手を大学時代の成績などから分析し、強みと弱みを把握。

先輩大学捕手として活躍している梅野選手との比較も交えつつ、将来的な目標などを考察していきたいと思います。

※大学時代の成績はドラフトレポート(https://draftrepo.blog.fc2.com/)より

※いいところばかりは書いていません ご了承ください



古賀悠斗

カタログスペック

・ 高校通算本塁打は52発
・2塁送球タイムは1.8秒台

・2年生から正捕手に定着
174cm78kg

身長や体重は普通の範囲。

高校生2年生から捕手に転向し大学2年生から正捕手に定着するなど捕手センスは抜群。

高校時代はMAX145キロも記録した強肩が何よりも武器で1.8秒台というのはプロの平均よりも速いとされる。

また制球自体もよくスローイングと肩はプロの中でもかなり高い位置にあるとされている。

以下は守備・打撃などを紹介している動画です。

強み①

古賀悠斗選手の強みはなんといってもその肩でしょう。

球界随一の肩を持つといわれる甲斐選手の2塁送球平均タイムは1.89秒とほぼ1.9秒です。

(以下はその記事)

https://www.nishinippon.co.jp/nsp/item/n/603670/

それに対して動画の古賀選手は(練習も含めているが)1.8秒台を連発。

平均タイムは1.86秒と(計測法が違うかもしれないが)、あの甲斐選手よりも良い数値を出してます。

プロの平均が1.97秒と言われる世界で0.1秒速いタイムを出すというのは素晴らしいというほかありません。

5年ほど前のデータでは時間が0.1秒短縮されると盗塁阻止率が15%ほど上昇するとされてます(下の画像参照)。

今年の森友哉選手の盗塁阻止率は27.4%。

森選手のタイムは2019年は1.92秒と遅くないことから古賀選手と交代した時のインパクトはそこまで大きくないと思われますが、それでも35%ほどは阻止することができると予想されます。

盗塁は一般に70%以上の確率で成功しなくてはプラスにならないので35%盗塁を阻止できれば十分な仕事ができているといえます。

そういう意味では古賀選手の肩はプロでも十分に通用するといえると考えられます。

f:id:jubenonz:20180608164353p:plain
1.02 Essence of Baseball より

強み②

また、古賀選手のほかの強みとしては選球眼がいいことが挙げられます。

古賀選手は1年生のころから試合に出ているが、ほとんど一貫して四球率が高いのです。

試合打率出塁率長打率四球率三振率BB/K
18春:80.07713102300.2500.07718.8%12.5%1.50
18秋:100.12524308300.2220.12511.1%29.6%0.38
19春:140.35040141101210.5000.55023.1%19.2%1.20
19秋:110.121334013200.1710.1825.7%37.1%0.15
20春:中止
20秋:100.26730808500.3710.30014.3%22.9%0.63
21春:120.34141143101200.4910.58522.6%18.9%1.20
21秋:80.15426419500.2900.34616.1%29.0%0.56
通算730.232207485604210.3610.35716.9%24.1%0.70

大学の平均は大体12%なので通算ではそれよりも5%も多く四球を選ぶなど優れたものを持っていることがわかります。

そのおかげか出塁率は打率よりも.100高いときが多く、出塁を武器にできる選手である可能性が高いです。

弱み①

逆に古賀選手の弱みは三振の多さです。

大学の三振率は大体16%であるのに対し古賀選手はその1.5倍多く三振をしてしまいます。

四球率が高い弊害といえるかもしれませんが、例えばライオンズが育成4位で指名した川村選手は三振が四球数よりも少ないです。

このため古賀選手は悪くはない選球眼は持っていると思われるがバットコントロール力はそこまであるとは言えないでしょう。

一般にプロで活躍している選手はアマチュア時代は三振が少なく活躍していた選手が多いという事実もあります。

実際に大学生捕手として今一番活躍している梅野選手は

試合打率出塁率長打率 四球率三振率BB/K
10春:100.19436705400.2750.27810.0%12.5%0.80
10秋:100.3783714131040.5110.56821.3%6.4%3.33
11春:100.349431514330.3910.4426.5%8.7%0.75
11秋:100.351371324730.4550.59515.9%9.1%1.75
12春:100.4193113011410.6000.51631.1%2.2%14.00
12秋:100.3333311081200.5110.54526.7%17.8%1.50
13春:90.3333010151000.5000.56725.0%12.5%2.00
通算:790.3382849673060120.4530.52517.4%8.7%2.00
13秋はデータが欠損してるので省く

とリーグのレベルもあると思うが基本無双しており、打率だけでなく三振率も非常に低い数値でした。

だがそんな梅野選手であっても1年目は200打席以上たったもののOPS.581とかなりの苦戦を強いられました。

そのため古賀選手の打撃は現時点ではそこまで完成度は高いとは言えず、少なくとも1年目は苦戦する可能性が高いといえます。

大学NO.1と評されながら結果的に大学生捕手の中では3番目の指名(1番安田選手(楽天)・2番福永選手(オリックス))だったのはこのあたりをスカウトの人が懸念した可能性が高いとも考えられます。

実際に例えば同じリーグだった福永選手は

試合打率出塁率長打率四球率三振率BB/K
18春:30.0001000000.0000.0000.0%0.0%#DIV/0!
18秋:2000000
19春:20.0006004000.0000.0000.0%66.7%0.00
19秋:60.0009000000.0000.0000.0%0.0%#DIV/0!
20春:開催中止
20秋: 100.16025403300.2500.16010.7%10.7%1.00
21春:120.244411013710.3540.39014.6%6.3%2.33
21秋:50.33318610300.4290.55614.3%0.0%#DIV/0!
通算400.200100202101310.2920.30011.5%8.8%1.30

と打率などでは劣るものの三振率は非常に低く、四球も多く選べています。

(なので個人的には福永選手の方が推しでした ↓はその記事)

特に4年生になってからは捕手でなくとも素質を感じる打撃をしていました。

また安田選手も1年生の時の成績しかないが三振率は15.5%と平均よりもいい数値と上位の指名もうなづけるものであります。

もちろん古賀選手は福永選手よりも低学年の時から活躍しているため、福永選手の調子がよかっただけとも言える可能性もあります。

ただ低学年のときから三振が多いスタイルなのは変わりないので、本人も打撃が課題といっているが打撃に関しては大改造も頭に入れておきたいところです。

また、なぜか春は成績がよくて秋は成績が悪いのでそこの原因さえわかれば打撃でも期待が持てるようになるかもしれません。

弱み②

また、古賀選手のほかの弱点としては足が武器にならないことが挙げられます。

上記で紹介した動画では、

1塁到達タイムは4.56秒

2塁到達タイムは8.56秒

とライオンズでも鈍足とされる山川選手と同じタイムなのです。

以下参照サイト

https://www.ogumo.info/Html/CRunR.html

捕手自体負担がかかるポジションなのでそこまで足は速くなくとも仕方がない部分はあるのは事実です。

ただ足が速いに越したことはないので、武器の1つがないと考えるとレギュラー取りには不利といえるでしょう。

2塁到達速度も遅い部類に入ることからベースランニングもうまいとは考えにくく、打撃だけでなく走塁面もプロに入ってからの課題になると思われます。

まとめと将来像

以上をまとめると

・肩はプロでも高水準
・打撃も四球を選べるスタイルなのはGood
・ただし三振も多く打撃の完成度は高くない
・足もプロでは遅い部類に入りそう

といったところになります。

隅田・佐藤選手と同じようにパワプロ風に能力設定をすると

弾道  2
ミート F 30
パワー E 45
走力  F 38
肩力  B 75
守備力 D 50
捕球  D 50

特殊能力
送球  C
三振
調子極端
選球眼

(あくまで筆者の主観によるものなので「ほーん」ぐらいで流してください)

というところになるかなと思われます。

現状はほぼほぼ守備型捕手という感じで、森選手が定着する前の正捕手たちとイメージは近いかなと思われます。

今のところ将来像としては炭谷・細川選手がイメージになるでしょう。


ただ個人的には守備型捕手で終わってほしくないと考えています。

というのも守備型捕手というのはチームの弱みにはならなくてもチームの強みにはなりえないからです。

捕手はなぜか打撃が極端に苦手でも許される風潮がありますが、いくら捕手と言えどOPS.600もないのはチームにとって重荷になります。

実際に炭谷選手はWARを1以上稼いだシーズンがなく、言葉は悪いですが「控えよりまし」という状態でした。

実際に炭谷選手が正捕手だったときは優勝というかBクラスに入ることも多かったです(もちろん炭谷選手だけの責任ではないですが)。


捕手の守備力は重視すべきですがそれ以上に捕手の打撃軽視はボディーブローのようにチームを蝕みます

なので古賀選手には守備だけの選手にはなってほしくないと考えています。

中日の木下選手や阪神の梅野選手のように、「マイナスにならない」だけの打撃を盛った守備の良い選手に是非ともなってほしいのです。

そのため1年目は正直なところ1軍には帯同しなくていいと考えています。

前述したように打撃には課題が多く、また守備も肩以外は通用するかどうかは未知数です(球の質が異なるため)。

また、森選手の去就も定かではありません。

森選手が残留した場合、5年は正捕手を守ることでしょう。

そうなると古賀選手は早くとも27歳になってやっと捕手としてまともに試合に出れるようになります。

すると選手としての全盛期は3年ほどで過ぎてしまいチーム編成としてもあまりよいとは言えません。

ゆえに古賀選手には最悪他のポジションでも出場できるぐらいの打力をつけて欲しいのです。

というか森選手からレギュラーを奪おうとした場合、足と守備でトントンと考えると最低限その程度の打力は不可欠です。

また森選手だけでなく、すでに1軍で経験を積み2軍でよい打撃ができている柘植選手という強力なライバルも存在します。

なので柘植選手に負けないという意味でも1年目は打力の強化を行うべきと考えています。

もちろん最終的な目標としては1軍で出場するというところになると思いますが、

まずは2軍でOPS.700 三振率15%以下を目標にしたいところです。

理想として、前半戦は2軍で打力の改善と守備力の補強を行い、後半戦で同学年の隅田・佐藤選手をリードする形になればと思います。


古賀選手は守備は確かに即戦力になると思われますが、同時に打撃に関してはまだまだ素材の段階です。

チームとしては焦らず、最悪コンバートも視野に入る「打てる捕手」を目指した育成方針を立てて欲しいなと思います。

これで1位から3位までの選手の紹介を行いました。

これから下位指名の選手についてもご紹介しようと思うのでもしよければブックマークでもつけて待っていただければと思います。

それでは

(^O^)/バイバーイ

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