【ドラフト】実力は1位クラス!? ライオンズ2位の実力派左腕、佐藤隼輔を徹底解剖
以下一部敬称略
2021年のドラフトでライオンズは1位と2位で実力派左腕を獲得しました。
1人は隅田知一郎選手。
伸びのある速球とキレのある多彩な変化球を武器とする投手で4球団競合の末見事に引き当てることができました。
記事は⇩
そしてドラフト2位で指名されたのが佐藤隼輔選手です。
威力のある速球とキレのあるスライダー・チェンジアップが武器の本格派左腕で、大学時代には44イニング連続無失点を達成するなど圧倒的な投球をしてきました。
ライオンズファンの中では隅田選手と同じく即戦力としての期待も大きいのではないでしょうか。
今回はそんな佐藤隼輔選手がどんな投手なのか、どれほどの活躍が期待されるのかを大学時代の成績や実際の試合のデータから考察していきたいと思います。
※大学時代の成績はドラフトレポート(https://draftrepo.blog.fc2.com/)より
※試合分析における球種は筆者の主観です
※いいところばかりは書いていません ご了承ください
佐藤隼輔
カタログスペック
・ MAX152キロの伸びのある直球
・変化球は
スライダー
チェンジアップ
・3つの球種のどれもが完成度が高い
・181cm83kg
球種が多彩なタイプではなく、少ない球種で押し込んでいくスタイルのようです。
コーナーをつく制球力もあり総合力が高いといわれています。
身長や体重は隅田選手よりも大きく、プロ野球投手らしい体形といえます。
ライオンズだと小川選手と似た体形のようです。
大学時代の成績
回数 | 奪三 | 四死 | 自責 | 防御率 | 奪三振率 | 与四球率 | K/BB | |
18春: | 登板なし | |||||||
18秋: | 25 | 24 | 4 | 0 | 0.00 | 8.64 | 1.44 | 6.00 |
19春: | 46 | 34 | 17 | 12 | 2.35 | 6.65 | 3.33 | 2.00 |
19秋: | 38.66 | 50 | 10 | 2 | 0.47 | 11.64 | 2.33 | 5.00 |
20春: | 中止 | |||||||
20秋: | 16 | 14 | 6 | 1 | 0.56 | 7.88 | 3.38 | 2.33 |
21春: | 41 | 39 | 10 | 12 | 2.63 | 8.56 | 2.20 | 3.90 |
21秋: | 3.33 | 5 | 0 | 0 | 0.00 | 13.51 | 0.00 | #DIV/0! |
通算 | 170 | 166 | 47 | 27 | 1.43 | 8.79 | 2.49 | 3.53 |
21秋はわき腹(腹斜筋)を痛めたために1度しか登板ができませんでしたが内容は素晴らしいものがありました。
隅田選手ほど奪三振率は高くないですが安定して8点台以上を記録し、与四球率も3点台以下とかなり安定感が高いのが特徴です。
防御率もいいときは圧倒的な成績で、調子に乗った時の能力は抜群のものがあると言えます。
隅田選手ほど圧倒的な成績を残した期はないため競合ほどの評価にはならなかったのかと思われますが、安定感という面では今年指名された選手の中でも随一といえそうです。
とはいってもこれだけだとどれほどの選手なのか分かりにくいので1位指名の隅田選手、それと首都大学リーグの先輩左腕である中川選手(巨人)と比較してみたいと思います。
回数 | 奪三 | 四死 | 自責 | 防御率 | 奪三振率 | 与四球率 | K/BB | |
佐藤通算 | 170 | 166 | 47 | 27 | 1.43 | 8.79 | 2.49 | 3.53 |
隅田通算 | 181.66 | 231 | 73 | 32 | 1.59 | 11.44 | 3.62 | 3.16 |
中川通算 | 172 | 133 | 41 | 25 | 1.31 | 6.96 | 2.15 | 3.24 |
佐藤3年以降 | 60.33 | 58 | 16 | 13 | 1.94 | 8.65 | 2.39 | 3.63 |
隅田3年以降 | 89 | 120 | 35 | 12 | 1.21 | 12.13 | 3.54 | 3.43 |
中川3年以降 | 170.33 | 133 | 39 | 25 | 1.32 | 7.03 | 2.06 | 3.41 |
隅田選手と中川選手と比較すると
①奪三振率は中川選手よりはあり、隅田選手よりはない
②与四球率は中川選手ほど低くはないが隅田選手ほど高くはない
③総合的な能力であるK/BBは3人の中で1番
ということが言えそうです。
特筆した成績な部分はないですが高い総合力があるということが大学時代の成績からも言えそうです。
ちなみに中川選手は1年目は2軍で先発と救援を兼任し、3年目からは1軍の主力に成長しました。
簡単な比較はできませんが1年目からフルで回転するというよりは先発と救援を経験させつつ、後半戦からローテに定着というのもできそうには思えます。
もちろん佐藤選手はドラフト2位、中川選手はドラフト7位とかなり指名順位に差があったので見た目以上の差があるのかもしれません。
次の項目では実際に試合から分析をし、佐藤選手がどんな投手なのかを解説します。
試合分析
参考にする試合は4年生の春のリーグ戦2試合です。
秋は前述したとおりほとんど投げれなかったので参考とするにはちょうどいいと思われます。
2試合の大まかな成績は
①9回12奪三振3四死球2失点
②9回 8奪三振2四死球0失点 です
動画はこちら⇩
球質に関しては定量的なデータがないので主観で申し訳ないですが
ストレート:キレイな回転をしているように見える
スライダー:ややスピードが遅くぬるっと曲がる
チェンジアップ:落ちがものすごくある感じはしないがタイミングはよく外せる
ように見えます。
それでは球質だけでなく空振り率なども見ていきます。
以下の画像を見てください。
配球:全体的に直球が多い
ストレート
・平均球速はわからなかったが隅田選手より球威があったように見えた
・球威も十分あり高めで釣らなくても空振りをよく奪えていた
・制球は抜群とは言えないが一定のものがある
スライダー
・相手の頭にないのかキレがあるのかヒットは打たれず
・ただし制球はそこまでよくなく大学生にも見極められる
・ボール球を強引に振らせるほどのキレはなさそう
チェンジアップ
・バットを振るまで直球と見分けがつかず、多くの打者がスイングした
・低めに決まった時は隅田選手のフォークにも負けないレベルのキレ
・ただしそこまで配球は多くない
全体的に球種が少ないこともあり直球中心の本格派な投球。
直球に関しては隅田選手よりも球威があるように思え、相手をよく押し込めていました。
逆に変化球は隅田選手よりもややキレ・制球が甘く特にスライダーはプロでは少し厳しそうな球に思えました。
ただチェンジアップはキレは十分なようで、もう少し投げられるとよさそうです。
左右関係なく変化球は投げられるので直球・チェンジアップを左打者のインコースに投げられると幅が広く投げられるように思えました。
球種が少ないことと打たれないことには関係がないという報告もあるため、まずは1つ1つの球種の完成度をあげれるように救援から始めると順調なステップアップができると思います。
総評
総評としては
・直球の球威は隅田選手よりもありそう
・変化球はもう少し鍛えたい
・中川選手よりも成績は良く1年目からある程度は投げれそう
といったところになります。
隅田選手と同じくパワプロ風に能力設定をしてみると
球速 152キロ
コン 55
スタ 60
ストレート
スライダー 2
チェンジアップ 2
(フォークもあるとか 投げてないので設定してませんが)
特殊能力
・クロスファイヤー
・リリース
・ケガ E
ぐらいな能力かなと思っています。
マイナス能力が少なく、伸ばしたいように伸ばせるタイプの投手のように思えます。
スポーツ科学の最先端の筑波大学に所属していたおかげかフォームもキレイで安定しており、変化球を増やすというよりは既存の変化球を成長させる方針の方がよさそうです。
1年目の成績の予想ですが
50イニング 防御率 3.50 40奪三振 15四球 5被弾
が目途になるかと思われます。
序盤は救援を中心で、後半から先発に定着という想定で考えました。
直球の平均球速が145キロを超え、スライダーを改善(具体的には曲がりが小さく直球と偽装できるように)。
さらにチェンジアップを20%ほど投げられるようになれば100イニング以上も投げられるのではと思われます。
2008年以降のライオンズの2位指名は
2008 野上亮磨
2009 美沢将
2010 牧田和久
2011 小石博孝
2012 相内誠
2013 山川穂高
2014 佐野泰雄
2015 川越誠司
2016 中塚駿太
2017 西川愛也
2018 渡邉勇太朗
2019 浜屋将太
2020 佐々木健
と2014年以降活躍出来た選手が少なく、チームの投手難の一因にもなってしまっています。
佐藤選手には最近芽が出てきている川越・渡邉・西川選手を始めとし、雌伏の時を過ごしている佐野・浜屋・佐々木選手といった左投手とともにライオンズの投手陣を助ける存在となってほしいですね。
今まで1位の隅田選手と2位の佐藤選手を解説してきましたがもちろん他の選手も解説しようと思っています。
もしよければブックマークでもつけて待っていただければと思います。
それでは
(^O^)/バイバーイ
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ディスカッション
コメント一覧
他の投手との比較等、興味深く読ませていただきましたが、いくつか訂正したいです。
故障はわき腹ではなく腹部だそうです。
ケガE、というのは悪い評価ということですよね?
故障歴や今回の故障の理由とかちゃんと調べられましたか?
4年春の映像からややスピードが遅くぬるっと曲がるスライダーを分析されていますが、春は普段のスライダーが投げられておらず、本来はストレートの軌道からもう少し鋭く曲がるスライダーです。
キレキレですよ。
球種は本当は他に数種類持っていて大学生のうちは絞っていたそうです。
どの記事を参考に書かれたかわかりませんが、彼をずっと見てきたファンとしてはこれをそのまま参考にする方々がいるのはちょっと嫌なので、見たことのない選手を分析するのなら細かく調べていただいた方がありがたいです。
コメントありがとうございます。
秋のケガに関しては報知の記事で腹斜筋の肉離れとのことだったのでわき腹と解釈しました。
右腰のあたりを抑えていたということなのでわき腹でもいいかなと。
日刊スポーツでも腹斜筋なのでむしろわき腹ではないのでしょうか?
https://hochi.news/articles/20210911-OHT1T51140.html
https://www.nikkansports.com/baseball/news/202110100000969.html
故障の理由というのは準備ができなかったと解釈しています。
以下の記事参照
https://news.yahoo.co.jp/articles/5b66bb0b1441587779e3268edf77abc8d2c40f2d?page=1
特に目立った故障歴がないのは存じておりますがケガをしない選手はしないので1段階下げました。
新人は基本Dがマックスとしているのでそこは解釈によるものと思います。
他の方はの査定ではケガをFにしている人もいたので自分でいうのもなんですが考慮はしていると考えています。
また、スライダーに関しては21春はカーブ気味になっていたということですよね?
実際上記の記事でもそれを修正したという話がありましたし。
ただ2年生の時のアメリカ戦での投球もみましたがそこでも見極められることが多く(少なくとも空振りは少なかった)ストレートに偽装しきれていないなと思ったので球質に関してはそう考えました。
スライダーで空振りを奪いまくっているという動画があればもちろん謝罪とともに修正するので教えていただきたいです。
少なくとも記事の中で紹介した2試合はじっくりと見て分析しましたし、上記に書いた記事などをはじめとして多くを参考に書いています。
見たことのない選手ではありませんし細かく調べていないとは思っていません。
勝手なレッテルを張らないでください。
もちろん佐藤選手のファンということで私よりも彼を深く理解しているのだとは思います。
他にこういう記事があるので見て欲しいとか、間違った解釈をしているのであれば謝罪とともに訂正をするのでソースをつけて教えていただければと思います。