【ドラフト】隅田知一郎は本当に活躍できる? 4球団競合の左腕を徹底解剖
以下一部敬称略
2021年のドラフトでライオンズは4球団の競合の末隅田知一郎選手を獲得。
さらに2位ではドラフト1位クラスとも評されていた佐藤隼輔選手も獲得に成功するなど非常にいいドラフトができました。
2人とも大学生左腕の中ではトップクラスで
先発左腕防御率 6.25 2勝8敗
と言葉が強いですが見るも無惨な先発左腕において即戦力としての活躍が期待される投手です。
しかし実際のところどれだけ活躍できるのか、そもそもどんな投手なのかよくわからない人も多いと思います。
そこで今回の記事ではどんな選手なのかを紹介しつつ、どれだけ活躍できるのかを昨年昨年同じく4球団競合指名されて大活躍している早川選手(楽天)と比較し考察していきたいと思います。
まずは隅田知一郎選手の紹介です。
ちなみに採点した記事は⇩
ライオンズの全指名選手のおおまかな解説は⇩
※大学時代の成績はドラフトレポート(https://draftrepo.blog.fc2.com/)より
※試合分析における球種は筆者の主観です
※いいところばかりは書いていません ご了承ください
隅田知一郎
カタログスペック
・ MAX150キロの伸びのある直球
・変化球は
スライダー
カット
カーブ
フォーク
チェンジアップなど
・多彩な変化球でカウントが取れる高い総合力
・176cm76kg
直球がよい、あの変化球がよいというよりはなんでもござれというタイプと評されているようです。
身長・体重は浜屋選手そっくり。
大学時代の成績
回数 | 奪三 | 四死 | 自責 | 防御率 | 奪三振率 | 与四球率 | K/BB | |
18春: | 14.66 | 16 | 3 | 5 | 3.07 | 9.82 | 1.84 | 5.33 |
18秋: | 15 | 20 | 13 | 1 | 0.60 | 12.00 | 7.80 | 1.54 |
19春: | 32.33 | 41 | 8 | 7 | 1.95 | 11.41 | 2.23 | 5.13 |
19秋: | 30.66 | 34 | 14 | 7 | 2.05 | 9.98 | 4.11 | 2.43 |
20春: | 中止 | |||||||
20秋: | 24 | 33 | 9 | 3 | 1.13 | 12.38 | 3.38 | 3.67 |
21春: | 42 | 51 | 24 | 8 | 1.71 | 10.93 | 5.14 | 2.13 |
21秋 | 23 | 36 | 2 | 1 | 0.39 | 14.09 | 0.78 | 18.00 |
大学時代の成績は奪三振率が全ての期において9を超え、奪三振能力は卓越したものがあるといえそうです。
反面与四球率は2点台以下の期よりも3点台以上の期が多く制球に優れた選手というわけではないようです。
ただ21秋は見違えるほど与四球率が低下しており奪三振率もより傑出したものになっています。
この成長っぷりが4球団競合の要因になったと思われます。
早川選手と比較すると
回数 | 奪三 | 四死 | 自責 | 防御率 | 奪三振率 | 与四球率 | K/BB | |
隅田通算 | 181.66 | 231 | 73 | 32 | 1.59 | 11.44 | 3.62 | 3.16 |
早川通算 | 208.33 | 259 | 52 | 60 | 2.59 | 11.19 | 2.25 | 4.98 |
隅田3年以降 | 89 | 120 | 35 | 12 | 1.21 | 12.13 | 3.54 | 3.43 |
早川3年以降 | 97.66 | 130 | 18 | 20 | 1.84 | 11.98 | 1.66 | 7.22 |
隅田直前 | 23 | 36 | 2 | 1 | 0.39 | 14.09 | 0.78 | 18.00 |
早川直前 | 35.66 | 58 | 7 | 1 | 0.25 | 14.64 | 1.77 | 8.29 |
このような成績であり
①三振は早川選手よりも取れる
②制球は早川選手の方がはるかに良い
③直前期はほとんど差がない
ということがおおまかには言えそうです。
また、それぞれの所属リーグが隅田選手が九州地区大学野球連盟であるのに対し早川選手が東京6大学野球連盟であることから早川選手のほうがリーグとしてのレベルは高いといえそうです。
K/BBを見ても早川選手の方がよく、所属リーグを考えると全体的に早川選手の方がレベルは高かったといえそうです。
なので少なくとも大学成績からは早川選手ほどの活躍は難しいと言えそうです。
試合分析
ただ実際に大事なのは試合での投球ですし直前期の投球は見事なものでした。
なのでしっかり1試合を通しての分析を行いたいと思います。
分析した試合は6月に行われた上武大戦で
8回14奪三振1四死球1失点と好投した試合です。
この試合から隅田選手はドラ1候補と呼ばれるようになった、まさしく転機ともいえる試合で分析するにはぴったりといえるでしょう。
動画はこちら⇩
https://www.dailymotion.com/video/x81ul5a
まずは球質についてです。以下の動画を参考にしました。
ストレート:回転数が多くホップ・シュート成分が多い
フォーク:落ちはやや小さくシュート成分がある
カット:回転数が多くやや縦に落ちる
チェンジアップ:回転数が少なくシュート回転しつつよく落ちる
カーブ:回転数が多く縦によく落ちる
全体的にシュート成分が強く、また縦方向への変化が激しくなっています。
変化球が決まれば右相手でも苦にしにくい投手といえるでしょう。
それでは球質だけでなく空振り率なども見ていきます。
以下の画像を見てください。
配球:全体的に変化球が多い
ストレート
・平均球速は140キロに満たない
・キレはそこそこあり空振り率は10%をこえる
・ストライク率も高くきちんとカウントを稼げる
カットボール
・球速はそこそこで空振りは奪えない
・制球自体はよくカウント球としては大変有効
カーブ
・球速はやや速め
・空振りを取れるのもいいが何よりストライクを稼げるのがよい
フォーク
・変化球の中では最多で空振り率も最高
・低めに決まればほぼほぼ打たれない上変化量が多すぎないのでカウント球として有効
チェンジアップ
・最も遅い球でどろんと落ちる球質
・高めに抜けることも多いが低めに決まればプロでも打てなさそう
全体的に使えないボールがなく、総合力の高い投手という評判通りの投球。
特に変化球の質は大変よく低めに決まれば大学生では打てる球ではないと言えます。
その中でもフォークはプロでも十分にやれそうな球でマネーピッチになる可能性が高そうです。
反面心配な球は直球で、あまり速くないことと大学生相手でも40%ほどしか投げれていないのは不安要素。
カットやカーブはともかくフォークは直球に偽装してこそ大きな武器になるのでパワーアップは不可欠と思われます。
実際外野に飛ばされることも多く、被弾がかさみやすいかもしれません。
また、140キロ後半が出ることもあれば130キロ中盤とかなりバラツキが激しいのでアベレージ145キロを目標にできるとプロでも十分に活躍できると思います。
総評
総評としては
・変化球のキレはプロでも十分にやっていけそう
・直球も制球は悪くないがやや球威に欠ける
・早川選手の方が大学時代の成績は良く、彼ほどの活躍は期待できないかもしれない
といったところになります。
わかりやすいようにパワプロ風に能力設定をしてみると
球速 150キロ
コン 42
スタ 60
ストレート
カット 1
SFF 2
チェンジアップ 3
カーブ 2
特殊能力
・対左 C
・ノビ E
・奪三振
・四球
・シュート回転
・緩急
・リリース
ぐらいな能力かなと思っています。
実際に1年目にどの程度の活躍ができるか、という点に関してはやや評価が難しいですが
100イニング 防御率 4.20 100奪三振 50四球 12被弾
が目途になるかと思われます。
21秋の好調がフロックではなく、実際に実力が付いたことによるものでありなおかつ直球の球威が上がれば2桁勝利も見えてくるのではと思われます。
ライオンズのスカウトは非常に優秀で、
2009年以降の最初に指名した選手は
2009 菊池雄星
2010 大石達也
2011 十亀剣
2012 東浜巨
2013 森友哉
2014 髙橋光成
2015 多和田真三郎
2016 今井達也
2017 田嶋大樹
2018 松本航
2019 佐々木朗希
2020 早川隆久
とほとんどの選手が主力として活躍しています。
隅田知一郎選手も彼らに続けて活躍できるよう頑張ってほしいですね。
ドラフト2位の佐藤選手も同じように細かく分析しようと思います。
もしよければブックマークでもつけて待ってくれると嬉しいです。
→分析しました。
それでは
(^O^)/バイバーイ
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