【ドラフト】初の試み!? データ的に各球団の指名を採点してみた

2022年4月24日プロ野球考察ドラフト2021,ドラフト会議

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以下一部敬称略
※10/16 末包選手の成績がわかったので広島の点数を修正
※10/21 吉川選手の成績がわかったので楽天の点数を修正
※2/3 豊田選手の成績がわかったので阪神の点数を修正
※4/20 野村選手の成績がわかったのでソフトバンクの点数を修正

先日のドラフト会議から数日たち、各球団のドラフトについてそれぞれ採点がされてきましたね。

例えばMr.ドラフトの小関さんは

パリーグ
オリックス  75点
ロッテ    70点
楽天     55点
ソフトバンク 80点
西武     90点
日本ハム   85点

セリーグ
ヤクルト   65点
阪神     75点
読売     60点
広島     60点
中日     55点
横浜     75点

と採点していました。

西武が一番で最下位は楽天と中日と採点したようです。
全体的にくじを当てたこともありパリーグの方が評価が高いようですね。

ただドラフトの採点というのは仕方のないことですがかなり主観的な要素が強く納得のいかないファンの方も多いと思います。

実際私もそのうちの一人で、できればデータ的に採点してみたいなと思って今回の記事を作成しました。

データでどうやるの?と気になった方は是非最後まで見ていってください。

採点方法

まずは採点方法についてお話しします。
採点は大きく以下の3つに分けて行います。

①理論的な指名だったか?
②補強ポイントに合っていたか?
③取った選手の質

これだけだとどこにデータを使うのかわからないのでそれぞれ細かく採点基準について設定していきます。

理論的な指名だったか?

これは以前投稿したドラフト理論に基づいてた指名だったかを見ていきます。
ドラフト理論ってなんぞ?という方用に説明すると

「どの順位で、どのポジションの、どの属性(高校生か大学生かなど)の選手を指名するとドラフト会議において勝ち組になれるか」

というのを数値的に検証した理論です。

簡単に結論を言うと
投手の場合
①最も成功しやすいのは大学生
②高校生の指名は下位がローリスク・ハイリターンになりやすい

野手の場合
①5位以下は社会人以外成功しにくい
②上位出ないとプラスな選手は取りにくい

全体的に
①高校生は成功しにくい
といった特徴がありました。

詳しくはこちらをご覧ください⇩

https://l-data-daily.com/?p=154

これらの特徴から指名した選手の属性から
①4位までに野手がいるか?
②高校生が半分未満か(例:6人全体で指名したなら3人までOK)
③4位以下で高校生投手がいるか?
④大学生以上の野手を含め野手が2人以上いるか

といった採点基準を設けました。
また、
投手は劣化しやすいことやそもそもたくさん指名した方が成功する数自体は増えることから
⑤大学生以上の投手を複数指名したか?
⑥指名人数

といった6個の観点から理論的に理想的な指名だったかを判断したいと思います。

配点は①~⑤は達成していれば5点、
⑥は(指名人数-5)点だけ配分します(MAXは5点)。
なので満点は30点になります。

また、①~⑤は本指名の選手のみ、⑥は育成指名も含めて採点します。

例えばライオンズの指名の場合
①は3位に古賀選手を指名したため+5
②は高校生は6人中2人なため   +5
③4位以下で2人高校生投手を指名したため+5
④古賀選手と中山選手を指名したため+5
⑤大学生投手を2人指名したため +5
⑥育成指名を含めて10人指名したため(10-5)点=5点
合計30点となり満点な指名といえます。

補強ポイントに合っていたか?

それでは続いて②補強ポイントに合っていたか?の採点基準を説明します。

こちらは大きく分けて
①チームの弱みを埋めたか?
②後継者を指名したか?

の2点で採点していきます。

まず①のチームの弱みの指名ですがこれはチームの戦力が以下の図で-10以下になっているポジションの選手を何人指名したかを採点します(本指名のみ)。

図はhttps://ranzankeikoku.blog.fc2.com/https://ranzankeikoku.blog.fc2.com/のデータを参考に作成

例えばライオンズの場合弱みとなっているポジションは9月では
①投手
②サード
③外野全部

となっています。

そして今回ライオンズのライオンズのドラフトでは投手4人、捕手1人、ショート1人を指名しました。
捕手とショートは弱みではないので投手4人分のポイントが加算されます。
1人当たり5点とするので今回の場合は20点加算されることとなります。

次の②後継者を指名したか?では投手と野手で採点基準が異なります。

投手の場合は先発型であろうとリリーフ型であろうと
高校生+1.25点
大学生+2.50点
社会人+1.50点
 を加点します。

この配点はWARを基にしていて、2013年以降のドラフトで指名された投手が稼ぐ平均WARが
高校生が1.30
大学生が2.40
社会人が1.50
となっていたことからこのような配点をしています。
小数点以下は四捨五入します。

ライオンズの場合は大学生2人、高校生2人だったので
2.50*2+1.25*2 = 7.50
四捨五入をして8点が加点されます。

野手の場合はそのポジションをレギュラー的に守っている選手が30歳以上のとき、そのポジションを主に守っていた選手を指名した時に5点加点をします。(DHは除く)

例えばライオンズの場合は
①サード
②外野(レフト) が30歳以上の選手がよく守っているポジションです。

今回のライオンズの指名はこれらのポジションを主に守っていた野手を指名していないので0点になります。

他の例だと、例えば中日は外野を大島選手が多く守っていたところに3人外野手を指名しましたがこの場合は2人目までを採点対象にし最大で10点加点されます。

この項目は30点を超える可能性もありますが、超えた場合は30点とします。

取った選手の質

最後に③取った選手の質に関する採点です。
投手の場合は三振が取れ、四球を出さない選手が活躍しやすいこと
野手の場合は三振せず、四球を奪え長打を打てる選手が活躍しやすいことが判明しています。

(根拠は以下のnoteを見てください)
https://note.com/baseball_namiki/n/nc685859ede72
https://note.com/baseball_namiki/n/n79dc69456ede

これらから
投手は奪三振率と四死球率
野手はBB/KとISOを採点対象にします。
(BB/Kは四球数を三振数で割ったもの
・ISOは長打率-打率で長打力を示す)

高校生と大学生、社会人の間にレベルの差があるので基準はそれぞれで少し変えています。
(ただしこの数字には根拠はありません)

また見る数値は高校生は予選、大学生はリーグ、社会人は公式戦の成績とし間近のものだけを参照する。

(高校生は21夏予選、大学生は4年生の時のリーグ成績、社会人は21年公式戦
記録がない場合は1年前まで遡る)
データ元はドラフトレポートさんとする。(https://draftrepo.blog.fc2.com/)

具体的な配点は
投手
奪三振率
高校生 11.00以上 2点 9.00以上 1点
大学生 10.00以上 2点 8.00以上 1点
社会人 9.00以上 2点 7.00以上 1点

四死球率
高校生 2.00以下 2点 3.00以下 1点
大学生 2.00以下 2点 3.00以下 1点
社会人 2.00以下 2点 3.00以下 1点

また左投手の方が多少指標が悪くても活躍しやすいことから左投手の場合1点加点します。

野手
BB/K
高校生 3.00以上 2点 2.00以上 1点
大学生 1.00以上 2点 0.80以上 1点
社会人 0.80以上 2点 0.60以上 1点

ISO
高校生 .300以上 2点 .200以上 1点
大学生 .200以上 2点 .150以上 1点
社会人 .180以上 2点 .130以上 1点

またセンターラインを守っている選手はそれだけで価値が高いのでプラス1点とします。

なので投手野手に限らず1人の選手は最大で5点を持ちます。
またデータがない選手は0点とします。

ただしこの方式で採点した場合5点になる選手はほぼおらず歪な点になってしまうので全員に1点を加えます。
もし6点を超えた選手はスペシャルな存在です。

他に指名した選手の数によって点が変わらないよう調整します。
例えばライオンズの場合は6人を本指名しましたがこの場合は6*5点で30点がMAXになります。
そしてこれを40点になるようにします。
実際にこの通りに採点をすると

1位 隅田 4点
2位 佐藤 4点
3位 古賀 4点
4位 羽田 3点
5位 黒田 3点
6位 中山 2点
なので20点になり、20*40/30 = 26.67点となります。
数値は四捨五入するので27点がライオンズが指名した選手の質に与えられる点数となります。


以上の3項目から100点満点で各チームを採点していきます。

例にしていたライオンズの場合は
①30点
②28点
③27点 となり
ここから85点が採点結果になります。

それでは同じ方法で他の球団も採点していきます。

また筆者の見解も参考までに載せます。

※選手の写真やリンク先は週刊ベースボールオンラインのものになります。

パリーグ

西武

1位隅田知一郎隅田知一郎投手西日本工大
2位佐藤隼輔佐藤隼輔投手筑波大
3位古賀悠斗古賀悠斗捕手中大
4位羽田慎之介羽田慎之介投手八王子高
5位黒田将矢黒田将矢投手八戸工大一高
6位中山誠吾中山誠吾内野手白鴎大

理論的な指名だったか?

①4位までに野手がいるか? → YES
②高校生が半分未満か? → YES
③4位以下で高校生投手がいるか? → YES
④大学生以上の野手を含め野手が2人以上いるか → YES
⑤大学生以上の投手を複数指名したか? → YES
⑥指名人数 → 10人 5点

合計30点

補強ポイントに合っていたか?

①チームの弱みを埋めたか?
 弱み
 投手:4人
 外野:0人
→20点

②後継者を指名したか?  
 投手:8点 
 野手
 サード:0人
 外野:0人
→0点

合計28点

取った選手の質

1位 隅田 4点
2位 佐藤 4点
3位 古賀 4点
4位 羽田 3点
5位 黒田 3点
6位 中山 2点

20*40/30 = 26.67 27点

合計 85点

総評:

4球団競合の末隅田選手を当て、さらには佐藤選手を獲得と上位2名は補強ポイント的にも質としても申し分のない選手の獲得に成功。
下位でも羽田・黒田という化けたら面白そうな素材を左右ともに獲得するなど投手の指名に関しては総合的に文句なし。
野手に関しても大学生2名を指名するなど固い指名で隅田選手を当てた以外はいつもの西武ドラフトをできたように思える。
ただ文句もある。
それは野手の指名ポジションがチームの強みと丸かぶりな点だ。
高校生ならともかくどちらも大学生で、特に森選手と古賀選手は4年しか変わらない。
疑り深いライオンズファンとしては森選手の移籍を想定しているのではと疑心暗鬼になってしまう。
また外野を指名しなかったのもマイナスポイント。
戦力を見てわかる通り投手よりもはるかにチームの弱みでありここを若手の成長だけでカバーできると考えるのはさすがに楽観的過ぎると思う。
できることなら4位以下で指名された渡部選手や豊田選手といった即戦力の補強をするべきだっただろう。
とはいってもできる所はきちんと指名したとは思うので外野は外国人選手に期待か?

日本ハム

1位達孝太達孝太投手天理高
2位有薗直輝有薗直輝内野手千葉学芸高
3位水野達稀水野達稀内野手JR四国
4位阪口樂阪口樂内野手岐阜第一高
5位畔柳亨丞畔柳亨丞投手中京大中京高
6位長谷川威展長谷川威展投手金沢学院大
7位松浦慶斗松浦慶斗投手大阪桐蔭高
8位北山亘基北山亘基投手京産大
9位上川畑大悟上川畑大悟内野手NTT東日本

理論的な指名だったか?

①4位までに野手がいるか? → YES
②高校生が半分未満か? → NO
③4位以下で高校生投手がいるか? → YES
④大学生以上の野手を含め野手が2人以上いるか → YES
⑤大学生以上の投手を複数指名したか? → YES
⑥指名人数 → 13人 5点

合計25点

補強ポイントに合っていたか?

①チームの弱みを埋めたか?
 弱み
 捕手:0人
 セカンド:0人
 サード: 1人
 ショート:2人
 外野: 0人
→15点

②後継者を指名したか?  
 投手:8点 
 野手
 外野:0人
→0点

合計23点

取った選手の質

1位 達  3点
2位 有薗 5点
3位 水野 5点
4位 阪口 2点
5位 畔柳 1点
6位 長谷川4点
7位 松浦 4点
8位 北山 4点
9位 上川畑4点

32*40/45 = 28.44 28点

合計 76点

総評:

1位から5位までに高校生を4人も指名するある意味らしい指名。
ただ内野の即戦力として社会人を2人獲得するなどきちんとチームの弱点は理解しているのは好ポイント。
またしっかり下位で戦力になりやすい大学生を指名しているのもよく、特に上位候補でもあった北山選手を8位で指名権を獲得するなどうまいドラフトができたといえる。
あえて注文をつけるとしたら外野の補強がなかった点だが、内野に比べると外野の方が有望株が多いことを考慮したとも考えられ判断としては納得のいくものがある。
少し高校生が多いが、この中からダルビッシュ・大谷・近藤・西川選手と言った高卒スター選手の排出に期待したいところだ。

ソフトバンク

1位風間球打風間球打投手明桜高
2位正木智也正木智也外野手慶大
3位木村大成木村大成投手北海高
4位野村勇野村勇内野手NTT西日本
5位大竹風雅大竹風雅投手東北福祉大

理論的な指名だったか?

①4位までに野手がいるか? → YES
②高校生が半分未満か? → YES
③4位以下で高校生投手がいるか? → NO
④大学生以上の野手を含め野手が2人以上いるか → YES
⑤大学生以上の投手を複数指名したか? → NO
⑥指名人数 → 17人 5点

合計20点

補強ポイントに合っていたか?

①チームの弱みを埋めたか?
 弱み
 セカンド:1人
 外野: 1人
→10点

②後継者を指名したか?  
 投手:4点 
 野手
 ファースト:0人
 サード:0人
 外野:1人
→5点

合計19点

取った選手の質

1位 風間 3点
2位 正木 5点
3位 木村 5点
4位 野村 4点
5位 大竹 1点

18*40/25 = 29 29点

合計 68点

総評:

きちんとセカンドと外野を指名し、チームの弱みを消すドラフト。
特に柳田選手がセンターをあまり守れなくなり、チームの強みが消えかけている今正木選手と言う即戦力な有望株を獲得できたことは大変大きな意味を持つ。
指標上では少し三振は多いがそれ以外は今季大活躍の牧選手に近く活躍に期待がかかるところ。
また4位できちんと社会人内野手の野村選手を指名できたことも僥倖で、本多選手の引退以来なかなか埋まらないセカンドの穴を埋めるいい機会だ。
比較的下位の社会人野手は成功する可能性が高く、セカンドとサードで起用できる機会も多そうなのも含めるとピンズドの指名。1年目から1軍で100試合の出場も十分現実的だろう。
支配下での指名が少ないため全体的な点数自体は伸び悩んだが、潤沢な施設を使った下位の投手の指導は健在なため実質はもう少し上の点になるだろう。
風間選手もうまくはまれば160キロ越えも十分に期待できるはずだ。

楽天

1位吉野創士吉野創士外野手昌平高
2位安田悠馬安田悠馬捕手愛知大
3位前田銀治前田銀治外野手三島南高
4位泰勝利泰勝利投手神村学園高
5位松井友飛松井友飛投手金沢学院大
6位西垣雅矢西垣雅矢投手早大
7位吉川雄大吉川雄大投手JFE西日本

理論的な指名だったか?

①4位までに野手がいるか? → YES
②高校生が半分未満か? → YES
③4位以下で高校生投手がいるか? → YES
④大学生以上の野手を含め野手が2人以上いるか → YES
⑤大学生以上の投手を複数指名したか? → YES
⑥指名人数 → 10人 5点

合計30点

補強ポイントに合っていたか?

①チームの弱みを埋めたか?
 弱み
 捕手:1人
→5点

②後継者を指名したか?  
 投手:8点 
 野手
 ファースト:0人
 セカンド:0人
 外野:2人
→10点

合計23点

取った選手の質

1位 吉野 4点
2位 安田 4点
3位 前田 2点
4位 秦  4点
5位 松井 4点
6位 西垣 2点
7位 吉川 3点

23*40/35 = 26.28 26点

合計 79点

総評:

独自路線的な指名で評価が難しいとされるが、少なくともデータ的に見たら割と高得点。
上位で野手を、下位で投手を指名するという基本ができており指名したポジションもチームの穴、もしくは将来穴となる可能性のあるポジションで案外(?)きちんとチームを見ているといえる。
この中で特に期待がかかるのは安田選手だろうか。
楽天は創立以来なかなか捕手が強みにならず、今季も野手の中では指名打者とともに弱みになってしまっている。
そういう意味で強打の捕手である安田選手を確保できたのは大きいし、長打力に欠けるとされやすい楽天打線において長打力に優れている吉野選手を獲得するという意図もよくわかるところ。
投手が下位のみでローテ陣が軒並み高齢化していることを考えると1人は上位指名が欲しかったが、そこは5位以下で指名された即戦力3人組がどれだけ戦力になれるかにかかっているだろう。

ロッテ

1位松川虎生松川虎生捕手市和歌山高
2位池田来翔池田来翔内野手国士舘大
3位廣畑敦也廣畑敦也投手三菱自動車倉敷オーシャンズ
4位秋山正雲秋山正雲投手二松学舎大付高
5位八木彬八木彬投手三菱重工West

理論的な指名だったか?

①4位までに野手がいるか? → YES
②高校生が半分未満か? → YES
③4位以下で高校生投手がいるか?→YES
④大学生以上の野手を含め野手が2人以上いるか → YES
⑤大学生以上の投手を複数指名したか?→YES
⑥指名人数 → 9人 4点

合計29点

補強ポイントに合っていたか?

①チームの弱みを埋めたか?
 弱み
 投手:3人
 捕手:1人
 サード:0人
→20点

②後継者を指名したか?  
 投手:4点 
 野手
 ファースト:0人
 外野:0人
→0点

合計24点

取った選手の質

1位 松川 6点
2位 池田 5点
3位 廣畑 3点
4位 秋山 5点
5位 八木 2点

21*40/25 = 33.6 34点

合計 87点

総評:

野手の中の大穴である捕手において高校生でもトップクラスの打撃を持つ松川選手の1本釣りに成功。
さすがに4年はかかると思うが西武の森選手のような圧倒的アドバンテージを確保できる可能性がある。
さらに打撃がよければ指名打者の穴も埋めることができることから、なかなか思い切ったいい指名だったのではないだろうか。
2位は池田選手でセカンドを守れる選手であるがチームの絶対的な強みと被ってしまっているのは気になる点。
どちらかというと高齢化が激しい外野の補強の方がよかった気がするが今年はあまり外野がいなかったという判断か?
3位以下では社会人を2人と指標上ではトップクラスの秋山選手を獲得。
上位で有力な野手を指名した分しっかりと戦力を下位で確保した。
少し物足りないところではあるが松川選手のアドバンテージを考えれば十分に許容できる。
安田・藤原・佐々木、そして松川選手と高校生の超有望株を多く保有しており、今後はかなり明るい未来が待っていそうな、そんな希望をもたらしてくれるいいドラフトだった。

オリックス

1位椋木蓮椋木蓮投手東北福祉大
2位野口智哉野口智哉内野手関大
3位福永奨福永奨捕手国学院大
4位渡部遼人渡部遼人外野手慶大
5位池田陵真池田陵真外野手大阪桐蔭高
6位横山楓横山楓投手セガサミー
7位小木田敦也小木田敦也投手TDK

理論的な指名だったか?

①4位までに野手がいるか? → YES
②高校生が半分未満か? → YES
③4位以下で高校生投手がいるか? → NO
④大学生以上の野手を含め野手が2人以上いるか → YES
⑤大学生以上の投手を複数指名したか? → YES
⑥指名人数 → 10人 5点

合計25点

補強ポイントに合っていたか?

①チームの弱みを埋めたか?
 弱み
 投手:1.5人(先発は強みなので半分にする)
 ファースト:0人
 セカンド:0人
→8点

②後継者を指名したか?  
 投手:5点 
 野手
 捕手:1人
 ファースト:0人
 セカンド:0人
→5点

合計18点

取った選手の質

1位 椋木 5点
2位 野口 3点
3位 福永 5点
4位 渡部 6点
5位 池田 4点
6位 横山 3点
7位 小木田3点

29*40/35 = 33.14 33点

合計 76点

総評:

2位から5位が野手と野手ドラフトを敢行。
特に2位から4位は大学生であり、本気で翌年以降も優勝争いにからもうという気概が見て取れる。
弱点であるリリーフにもドラフト1位で椋木選手を指名ししっかりとカバー。
先発もリリーフもできるタイプだとは思うが、直球でごりごり行くタイプでもあるのでリリーフが求められるチーム状態とはよくあっている。
2位の野口選手はショートだがセカンドにコンバートするとするなら安達選手の後継者になれるし太田選手の刺激にもなるなどいいことも多い。
後藤選手以来あまり埋まらないセカンドを埋める存在となれるか?
3位の福永選手は今年だけでいえば古賀選手を超えており、それもあっての3位指名だろう。
実際伏見選手が30歳なのでちょうどよく、渡部選手も守備がうまくない外野が多いので上手くいけば1年目からかなり試合に出れるだろう。
下位できちんと社会人投手を2人確保し補強は万全に近い。
全体的に埋めるべきところを埋めた、地味ながら良いドラフトといえるだろう。

セリーグ

横浜

1位小園健太小園健太投手市和歌山高
2位徳山壮磨徳山壮磨投手早大
3位粟飯原龍之介粟飯原龍之介内野手東京学館高
4位三浦銀二三浦銀二投手法大
5位深沢鳳介深沢鳳介投手専大松戸高
6位梶原昂希梶原昂希外野手神奈川大

理論的な指名だったか?

①4位までに野手がいるか? → YES
②高校生が半分未満か? → YES
③4位以下で高校生投手がいるか? → YES
④大学生以上の野手を含め野手が2人以上いるか → YES
⑤大学生以上の投手を複数指名したか? → YES
⑥指名人数 → 9人 4点

合計29点

補強ポイントに合っていたか?

①チームの弱みを埋めたか?
 弱み
 捕手:0人
 ショート:1人
→5点

②後継者を指名したか?  
 投手:8点 
 野手
 捕手:0人
 ファースト:0人
 サード:0人
 ショート:1人
→5点

合計18点

取った選手の質

1位 小園 3点
2位 徳山 2点
3位 粟飯原4点
4位 三浦 3点
5位 深沢 4点
6位 梶原 4点

20*40/30 = 26.67 27点

合計 74点

総評:

投手も野手もともに高校生と大学生を半々に指名するバランスの取れたドラフト。
特に競合の末高校生でもトップクラスの小園選手を獲得できたのは行幸だった。
またなかなか埋まらないショートに粟飯原選手を指名するなど、以前指名した森選手と合わせて何とかプラスにしようという意地が見て取れる。
ただ捕手を指名できなかったのは痛く、この点がマイナスポイント。
ショートも確かに高校生ショートは夢があるのは大変理解ができるがどこかで現実を見た即戦力の補強も必要。
来年か再来年には森選手達がうまくはまらなかった場合指名する覚悟も必要だろう。
投手はポテンシャルのある高校生にバランスの取れた大学生としっかりスタンダードにそろえた。
近年は投手の方がしっかり育成できているためこの4人をしっかり1軍戦力としていきたい。

中日

1位ブライト健太ブライト健太外野手上武大
2位鵜飼航丞鵜飼航丞外野手駒大
3位石森大誠石森大誠投手火の国サラマンダーズ
4位味谷大誠味谷大誠捕手花咲徳栄高
5位星野真生星野真生内野手豊橋中央高
6位福元悠真福元悠真外野手大商大

理論的な指名だったか?

①4位までに野手がいるか? → YES
②高校生が半分未満か? → YES
③4位以下で高校生投手がいるか? → NO
④大学生以上の野手を含め野手が2人以上いるか → YES
⑤大学生以上の投手を複数指名したか? → NO
⑥指名人数 → 6人 1点

合計16点

補強ポイントに合っていたか?

①チームの弱みを埋めたか?
 弱み
 セカンド:0人
 サード:0人
 外野:3人
→15点

②後継者を指名したか?  
 投手:1点 
 野手
 ファースト:0人
 セカンド:0人
 外野:3人
→16点

合計30点

取った選手の質

1位 健太 6点
2位 鵜飼 3点
3位 石森 4点
4位 味谷 2点
5位 星野 4点
6位 福元 3点

22*40/30 = 29.33 29点

合計 75点

総評:

投手僅か1人の超野手ドラフトを敢行。
まあ野手の惨状を見ればその気持ちは大変理解できるし実際補強ポイントととしては12球団唯一の満点を出すなどきちんとコンセプトに則った指名だった。
ただ投手1人はさすがに足りないのでできればもう1人は指名したかったが。
外野3人、しかも全員大学生とそこまでやる必要があったか?と思われるかもしれないが間違いなくやる価値はある。
というのも外野は全員30歳以上の選手が最も守っており、なおかつ悲惨なマイナスを計上しているからだ。
3人の1人、できれば2人が定着すれば状況は大きく改善するし大島選手もコンバートすることが可能になる。
そういう意味でセンターを守れるブライト選手への期待は大きい。
ナゴヤドームなので本塁打はあまりでないかもしれないが足を活かし2塁打を量産できれば十分にプラスになる。
前年までに指名した高校生もそろそろ出てきてもいいころ合いなのでそれに合わせて外野大学組が活躍できるとチームとしても大きい。

広島

1位黒原拓未黒原拓未投手関学大
2位森翔平森翔平投手三菱重工West
3位中村健人中村健人外野手トヨタ自動車
4位田村俊介田村俊介投手愛工大名電高
5位松本竜也松本竜也投手Honda鈴鹿
6位末包昇大末包昇大外野手大阪ガス
7位高木翔斗高木翔斗捕手岐阜商高

理論的な指名だったか?

①4位までに野手がいるか? → YES
②高校生が半分未満か? → YES
③4位以下で高校生投手がいるか? → NO
④大学生以上の野手を含め野手が2人以上いるか → YES
⑤大学生以上の投手を複数指名したか? → YES
⑥指名人数 → 11人 5点

合計25点

補強ポイントに合っていたか?

①チームの弱みを埋めたか?
 弱み
 投手:3人
 ファースト:0人
 サード:0人
→15点

②後継者を指名したか?  
 投手:6点 
 野手
 セカンド:0人
→0点

合計21点

取った選手の質

1位 黒原 2点
2位 森  4点
3位 中村 4点
4位 田村 1点
5位 松本 3点
6位 末包 4点
7位 高木 2点

20*40/35 = 22.85 23点

合計 69点

総評:

なんというか若干ちぐはぐな印象を持ったドラフト。
確かに外野は鈴木誠也選手が海外に行く可能性がありその穴を埋めたいという考えはわかる。
だがセンターはトントンだしレフトはプラス、しかも若手として宇草選手や中村選手も守れることを考えると2人も社会人選手を指名する必要はなかったのではと思える。
それよりもはるかにファースト・サード・ショートが穴なのでそちらに目を向けてもよかったように思える。
ショートは超有望株の小園選手がいるし、ファーストは外国人選手が加入するかもしれないのでまあ置いておいてもいいかもしれないがサードはさすがに看過できない。
それに菊池選手の後釜もほしいところなので内野は1人はやはり獲得しておくべきだったと思える。
また投手が穴なのにもかかわらず3人というのも寂しく、できれば高校生も指名しておきたかった。

巨人

1位翁田大勢翁田大勢投手関西国際大
2位山田龍聖山田龍聖投手JR東日本
3位赤星優志赤星優志投手日大
4位石田隼都石田隼都投手東海大相模高
5位岡田悠希岡田悠希外野手法大
6位代木大和代木大和投手明徳義塾高
7位花田侑樹花田侑樹投手広島新庄高

理論的な指名だったか?

①4位までに野手がいるか? → NO
②高校生が半分未満か? → YES
③4位以下で高校生投手がいるか? → YES
④大学生以上の野手を含め野手が2人以上いるか → NO
⑤大学生以上の投手を複数指名したか? → YES
⑥指名人数 → 17人 5点

合計20点

補強ポイントに合っていたか?

①チームの弱みを埋めたか?
 弱み
 捕手:0人
 セカンド:0人
→0点

②後継者を指名したか?  
 投手:10点 
 野手
 ファースト:0人
 ショート:0人
 外野:1人
→5点

合計15点

取った選手の質

1位 翁田 3点
2位 山田 4点
3位 赤星 2点
4位 石田 3点
5位 岡田 3点
6位 代木 2点
7位 花田 1点

18*40/35 = 20.57 21点

合計 56点

総評:

残念ながらこの採点方式では最下位。
セオリーを外した指名でありながら弱点補強といえるような指名ができなかったことに起因する。
上位3人を即戦力投手で固めたが広島・西武・ロッテほど投壊しているわけでもなく、野手の高齢化が激しいことからできればもう1人野手は上位で確保しておきたかった。
また、チームのストロングポイントが弱まってきていることも心配なところ。
今のところサードとショートが強みだが、さすがにそろそろ坂本選手の後釜が欲しいところなのだが近年のドラフトでは上位で活躍しやすい大学生以上の選手を獲得できていないところが心配。
確かに昨年指名した中山選手などは逸材だとは思うが全体的にとびぬけた野手が枯渇気味で、優勝をするためにもチームの大黒柱となる野手の指名を来年は確実に行いたいところだ。
そのためにも今年の上位3人がどれだけ活躍できるかも大事。
彼らのうち2人が1軍定着できれば野手ドラフトをする余裕もできるはずだ。

阪神

1位森木大智森木大智投手高知高
2位鈴木勇斗鈴木勇斗投手創価大
3位桐敷拓馬桐敷拓馬投手新潟医療福祉大
4位前川右京前川右京外野手智弁学園
5位岡留英貴岡留英貴投手亜大
6位豊田寛豊田寛外野手日立製作所
7位中川勇斗中川勇斗捕手京都国際高

理論的な指名だったか?

①4位までに野手がいるか? → YES
②高校生が半分未満か? → YES
③4位以下で高校生投手がいるか? → NO
④大学生以上の野手を含め野手が2人以上いるか → YES
⑤大学生以上の投手を複数指名したか? → YES
⑥指名人数 → 8人 3点

合計23点

補強ポイントに合っていたか?

①チームの弱みを埋めたか?
 弱み
 セカンド:0人
 ショート:0人
 外野:2人
→10点

②後継者を指名したか?  
 投手:9点 
 野手
 外野:2人
→5点

合計29点

取った選手の質

1位 森木 3点
2位 鈴木 3点
3位 桐敷 6点
4位 前川 5点
5位 岡留 4点
6位 豊田 4点
7位 中川 2点

27*40/35 = 30.85 31点

合計 83点

総評:

穴である二遊間と両翼に対し、外野にしっかり未来の主砲と即戦力を補強。
投手も大学生を多く獲得し、1位では当たれば大きい高校生投手を指名するなど将来と今をどちらも見据えたいいドラフト。
ショートはともかくセカンドは現在いる選手の底上げに期待?
指標上、桐敷選手はかなりのものだし鈴木・岡留選手は確かに大学時代はそこまでよい成績ではなかったが阪神には似たような成績から飛躍した選手の例がある(高橋・青柳選手)。
このため彼らの活躍も十分に期待できるだろう。
6位で指名された豊田選手にも社会人卒でかつチームの穴のポジションということで非常に意図が読める指名で全体的によくまとまっていた。

ヤクルト

1位山下輝山下輝投手法大
2位丸山和郁丸山和郁外野手明大
3位柴田大地柴田大地投手日本通運
4位小森航大郎小森航大郎内野手宇部工高
5位竹山日向竹山日向投手享栄高

理論的な指名だったか?

①4位までに野手がいるか? → YES
②高校生が半分未満か? → YES
③4位以下で高校生投手がいるか? → YES
④大学生以上の野手を含め野手が2人以上いるか → YES
⑤大学生以上の投手を複数指名したか? → YES
⑥指名人数 → 6人 1点

合計26点

補強ポイントに合っていたか?

①チームの弱みを埋めたか?
 弱み
 ショート:1人
 外野:1人
→10点

②後継者を指名したか?  
 投手:9点 
 野手
 捕手:0人
 外野:1人
→5点

合計24点

取った選手の質

1位 山下 5点
2位 丸山 2点
3位 柴田 3点
4位 小森 4点
5位 竹山 5点

19*40/25 = 30.4 30点

合計 80点

総評:

やや指名人数が少ないがそれ以外はほとんど文句のつけるところがない良ドラフト。
チームの穴であるショートと外野に人材を入れ、特に青木選手の後継者が欲しい外野に即戦力の大学生を指名したのは非常によくチームが見えているといえる。
投手も3位の柴田選手は大変ロマンを感じる投球だし、1位の山下選手は確実な戦力になってくれるであろう逸材。
今年強みとなった投手を維持するためにも有効な指名といえる。
また、5位で指名した竹山選手は非常に直球の威力がありその回転数は2700回転とMLB平均を500回点ほども上回る抜群の破壊力。
少しシュート回転しているため打たれることが多いが、非常に低い与四球率も合わせて5位にしてはかなりの大物を獲得できたのではないだろうか。
奥川・山田・村上選手と他球団を圧倒する選手を保有しており、ややチームに余裕ができている。
この間に後継者が欲しい捕手と外野をしっかり埋められれば90年代のような黄金期も夢ではない。

まとめ

なかなか全球団を細かく見るとなると大変でしたね。

全球団をまとめると以下の図のようになります。

①理論的な指名だったか?(30点)
②補強ポイントに合っていたか?(30点)
③指名した選手の質(40点)

合計
ロッテ29243487
西武30282785
阪神23293183
ヤクルト26243080
楽天30232679
日ハム25232876
オリックス25183376
中日16302975
横浜29182774
広島25212369
ソフトバンク20192968
巨人20152156

結果としては1位がロッテで2位が西武、最下位が巨人という結果になりました。

皆さんの考えとどれほどマッチしているでしょうか?

個人的には思ったよりも各球団で差がついて小関さんの採点と近い点数幅になって案外うまく点数設定できたなあと感じております。

何か思うところなどがございましたらご遠慮なくコメントしていただけると嬉しいです。

それでは

(^O^)/バイバーイ

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