【前編】防御率堂々の1位 レオの投手陣の前半戦を採点する

2022年7月29日ライオンズ,考察データ分析,ライオンズ,埼玉西武ライオンズ,西武,西武ライオンズ

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昨日の7月24日で前半戦が終了。

そしてオールスター休みを挟んでついに勝負となる後半戦が7月29日から始まります。

今年のパリーグは近年まれにみる混戦模様でなんと勝率5割以上のチームが5チームとどこが優勝してもおかしくない状況です。

そんな中ライオンズは48勝43敗2分けで2位と昨年最下位だった劣勢をはねのけ好順位に。

パリーグ順位表

1位 福岡 46勝40敗1分け +39
2位 西武 48勝43敗2分け +30 0.5
3位 楽天 44勝42敗2分け +27 2.0
4位 千葉 46勝44敗1分け -24 2.0
5位 檻牛 48勝47敗0分け ± 0 2.5
6位 北海 37勝55敗0分け -35 12.0

戦力を表すといわれる得失点差も+30と昨年に比べすでに100点近く加算。(昨年は-68)

戦力を大きく整え見事に優勝争いに参加しています。

そんな戦力整備の大きなポイントになったのが投手陣です。

わかりやすくするため図示しました。

いかに投手陣が改善したかがわかりますね。

全体を通しておおよそ90点ほど改良していますがそのうちの75点を投手陣の改善が占めています

割合にして80%以上と非常にインパクトのある改善でした。

今回はそんな大健闘の投手陣のうち個人個人がどれほど貢献できているのか、少し100点満点で採点と寸評をしてみたいと思います。

最初の項目は採点方法でかなり退屈だと思うので下の目次から好きな選手のところに飛んでください。

一応簡単にどんな選手が高得点になるかというと

・昨年より頑張っている選手
・いい成績の選手

がよい得点になります。

また、各選手ごとの項目は

選手名(目次)
①大まかな成績
②点数
③寸評

という形式になります。

順番は背番号順、20イニング以上の選手を対象にします(今井選手もついでに採点します)。

※成績・点数は7/26時点のもの

採点方法

※まず最初に断っておきますがこの採点方法は著者のオリジナルです。よりよいものがあればコメントなどお願いします。
また上手く説明できる自信もないのでよくわからないところがあればコメントお願いします。


評価に使う指標は「WAR」です。

WARって何?

A. WARとは「Wins Above Replacement」の略称です。
とはいってもわかりにくいのでかみ砕くと
控え選手に比べどれだけ勝利数を積み重ねることが出来たか
を測る指標です。
例えばWARが2.0の選手であれば控え選手に比べ2勝分チームの勝利を増やしたと言えます。
算出方法も色々とあるので絶対的な指標ではないですが
「チームへの貢献度」を測るにはもってこいの指標です。

「WAR」を知らなかった方はこれを機にそういった便利な指標があるということを知っていただければと思います。

もし「WAR」は知ってるけど採点するのには不適当だと思われる方がいらっしゃるならコメントなどをお願いします。

そしてこのWARを用いてどのように採点するかですが、以下の2点に分けそれぞれ50点ずつで採点します。

※ただ50点を飛び越えても選手の頑張りを否定したくないので50点にするといったことはしません。

①今年の貢献度
②昨年からの伸び

これらは例を示しつつ説明いたします。

まず①今年の貢献度です。

採点方法①

こちらは文字通り、今年のWARがどれだけあるかで採点します。

例えばWARが2.0あれば20点、のようなイメージです(このWARと点はあくまでもイメージです!)。

もう少し詳しくご説明すると、まず両リーグで20イニング以上投げてる投手のWARの偏差値を出します。

偏差値はうまく分散していれば25~75の間に99%ほどのサンプル(今回の場合は選手)が収まります。

(実際は山本由伸選手など傑出した存在はそんなものをぶっちぎりますが(笑))

なのでWAR偏差値が25のとき最低値の0点として75の時に満点である50点をあげる

…といいたいところですがそもそも20イニング以上投げてる時点でそこそこチームに貢献してるはずです。

なので+10点を一律で与えたいと思います。

まとめると①の採点方法は

①=WAR偏差値-15

で計算されます。

採点方法②

続いて2個目の採点方法、「昨年からの伸び」についてご説明します。

これは単純で「昨年からいかにWARが伸びたが」を採点します。

例えば昨年WARが1.0だった選手が今年WARが2.0になっていれば100%伸びているので100点、みたいなイメージです。

より正確にご説明すると

1.現時点でのWARをシーズン換算する(現在93試合消化しているので143/93倍をする)
2.その換算したWARと昨年記録したWARに3を加える
これはWARはマイナスになる場合があり、その場合計算がはちゃめちゃになるのを防ぐため
3を加える理由としては最終的な点数の幅がいい感じになるためで理由は特にないです
3.変化点=(換算WAR-昨年WAR)/昨年WAR*50 をする
4.②=変化点+30

という風にして昨年から伸びた選手ほど大きな点数になるようにしています。

流石にわけわからないと思うので例を出します。

例)昨年のWARが1.0で今年の現時点でのWARが2.0の選手の場合

1.まず今年のWARをフルシーズンに換算 2.0*143/93 = 3.1
2.昨年のWARと換算したWARに3を加える 昨年WAR3.0:換算WAR5.1
3.(5.1-3.0)/3.0*50=35=変化点
4.35+30=65 これがこの選手の②の得点になります。

65点と50点をオーバーしていますがこちらは前述したとおり50点にするといったことはしません。

そのまま65点として①の得点と合わせます。

こちらは正直計算方法がかなり複雑なので

1.昨年より活躍している選手は点数が高い
2.昨年より成績が落ちている選手は点数が低い

ということだけ抑えていただければ大丈夫です。

隅田・佐藤・エンス・ボー選手のように昨年の実績がない選手は今までのドラフト・外国人選手の実績から
隅田:1.5
佐藤:0.5
エン:1.5
ボー:0.5

を疑似的に昨年に残した成績として計算しています。

※例えば大学生ドラ1投手は1年目に平均でWAR1.5をマークすることなどから数値を設定してます。

※参照元のWARはhttps://1point02.jp/op/index.aspxを参照。

それでは選手ごとに点数を見ていきましょう。

#11 今井達也

①防御率2.84 3登板 1勝1敗 19in 18奪三振8四球 K/BB2.25

②48点

③今回取り上げた選手の中では最低点。といってもシーズンを半休以上してしまったので仕方なし。
ただ内容は昨年に比べ格段に成長。
ボール球スイング率が昨年と比べ10%近く上がり四球を比較的少なくすることが出来ている。
直球の割合を10%以上落とし(50.2%→38.0%)、変化球投手のように。
今井選手の直球は球速こそあれ価値があまりなかった(ボール球になるケースが多かった)ためある意味これは合理的。
現状投手陣の中では最も大きな伸びしろであることには間違いなく、後半戦の逆襲に期待

#13 髙橋光成

①防御率2.49 17登板 6勝7敗 112in 72奪三振34四球 K/BB2.12

②78点

③レオのエースとして今年もフル回転。平均投球回は6.5回以上とチームきってのイニングイーターに。
ただ内容はものすごくよいというわけではなく、標準的なローテ投手並み。
特に奪三振能力の低下が止まらず、空振り率7.9%・K%16%は自己ワーストクラス
守備が多大な貢献をしてくれている(※)以上、今後エース対決をものにするためには本人内容改善しかない。
2020年の後半時のカットのような、フォーク以外に大きな軸になる球が欲しい。

#14 増田達至

①防御率1.09 33登板 1勝1敗22セーブ 33in 24奪三振5四球 K/BB4.80

②80点

③悔しい成績に終わった昨年から捲土重来。奪三振力こそ低下したものの安定した投球で絶対的な守護神に返り咲いた。
空振り率は9.3%と平均よりも低いが安定した制球、直球のキレでボール球を振らせスライダーもそこそこに貢献。
直球を見せつつスライダーで打ち取るらしい投球ができている。
唯一心配なのが対左に弱いところ。
被OPSが右が.259に対し左は.685と平均よりも打たれてしまっている。
コロナ復帰後はもう少し直球を唸らせ左から空振りを奪っていきたい。

#15 宮川哲

①防御率2.79 29登板 1勝0敗1H1S 32.1in 29奪三振14四球 K/BB2.07

②79点

③増田選手と同じく捲土重来。あまり大事な場面は託されないがしっかり鉄壁中継ぎ陣に貢献。
イニングも跨げるタフさで救援陣を支えている。
実は空振り率は昨年の14%から大きく低下し8%ほどになってしまっている。
しかしその代わり制球は大きく向上しゾーン率は5%以上向上。
なぜか成績はそこまで変化ないが昨年までとは全く違う投手になっている。

空振り率さえ向上すれば鬼に金棒、1年目に躍動した「火消しの哲」が返ってくるかもしれない。

#16 隅田知一郎

①防御率3.19 11登板 1勝7敗 59.1in 53奪三振20四球 K/BB 2.65

②71点

③4球団競合のドラ1は1勝7敗と大苦戦。
…のように見えるが実態はチーム有数の好投手。K/BBは先発陣では與座選手に次ぐ数値。
援護がなかったのはもはや言うまででもないが守備でも援護がもらえず予想以上に失点してしまっている。
ファンとしては2重に不幸なのだ、ということを抑えておきたい。

現在コロナにかかり2軍での調整が長引いてしまっているが2軍での内容も別格。
フォーク・チェンジアップのキレはNPB全体を通しても上級で順調に調整できれば間違いなく戦力になれる選手だ。
早期1軍復帰を願いたい。

#17 松本航

①防御率3.41 12登板 5勝3敗 68.2in 43奪三振27四球 K/BB1.59

②62点

③昨年は投手の中ではチームトップのWARを記録するなど飛躍の1年になったが今年はまたピリッとしない投手に逆戻り。
空振り率が1・2年目の水準に戻ってしまい相手を押しきれていない。
直球こそストライク率60%越えと非常にいいが変化球が軒並み50%以下で機能していない。

そこそこに貢献できていたカット・フォークのいずれかを昨年水準に早く戻したいところ。
直球の球速が1.5キロもアップしたので指のかかりなどがまだ実はしっくり来ていないのかも?

#19 佐藤隼輔

①防御率4.22 9登板 3勝3敗 42.2in 30奪三振19四球 K/BB 1.58

②67点

③期待のドラフト2位左腕の前半戦は及第点といったところ。
空振り率は8.9%と平均以下だがゾーン率は平均以上と活躍の片りんは見せている。
被打率は左の方が6分ほど高いが三振や四球についてはほとんど変わっていない。
ポテンシャルとしては十分に左も抑えることができるはずだ。
ただ根本的にK/BBが悪くもう少しに内容を改善したい。
痛打されてしまっているスライダーが鍵になる…かも?

後半に続く

という形で7選手を振り返ってみましたがいかがだったでしょうか?

WARなどという形で見たことはあっても点数に興すことはことは多分初の試みだったのではないかと思います。

実際に有効か、点数調整がいい感じかどうかは正直微妙だと思いますが新しい視点を提供できたならよかったと思います。

後半の平井選手以降はなるべく明日中に投稿したいと思いますのでもし気に入った、面白いと思った方はブックマークなどをつけてくれると嬉しいです。

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ではまた別の記事でお会いしましょう。

後編はこちら↓