2024プロ野球序盤戦総括! これでプロ野球は一望可能 戦力が本当にある球団はどこ?
※データは6/2までのものを使用しています。
プロ野球もついに一つの節目である交流戦が始まりますます盛り上がりを見せていますね。
皆さんの贔屓チームの調子はいかがでしょうか?
私の贔屓チーム(西武)は負け続けるし監督は休養するしと散々です😭
先月行った各球団の戦力分析がかなり好評だったので今月もやっていこうと思います。
以下のことに該当する方には特におすすめです。
・データ的に野球を見ることが好きな人
・各ポジションごとの戦力が気になる人
・パ・リーグとセ・リーグの現状が妥当なのか気になる人
・ざっくりでいいから状況が知りたい人
またなるべくそういったデータに疎い方でもわかりやすいように平易に表現をするよう努力してます。
ですので安心して見ていってください。
ちなみに西武ファンはグロ注意なので見ないほうがいいです。
簡単に今回の分析の概要をまとめると
・セ・リーグは阪神とヤクルト以外は順当
・パ・リーグは見たまんまほとんど順当
・5月好調だったのは中日・ソフトバンク・ロッテ・日本ハム
・5月不調だったのは阪神・楽天・西武
前回の分析が気になる方は以下からどうぞ。
⇩前回(5/1までの分析)
データは以下のサイトから引用しています。(データは6/2終了時点)
https://1point02.jp/op/index.aspx
また確認はしていますが間違っている可能性は否定しきれません。
使う際は自己責任でお願いします。
概要
※今回のデータでは5/2~6/2までの試合を「5月」として表現しています。
ご了承ください。
順位表
まずは基本のキということで順位表を見ていきましょう。
セ・リーグ
全体
![](https://i0.wp.com/l-data-daily.com/wp-content/uploads/2024/06/image-9.png?resize=528%2C160&ssl=1)
セ・リーグは1位から5位までは完全に混戦模様。
ヤクルトも致命的なまでには離されていません。
1位から3位は特に0.5ゲーム差と日替わり弁当のように1位が入れ替わってもおかしくありません。
5月(5/2~6/2)
![](https://i0.wp.com/l-data-daily.com/wp-content/uploads/2024/06/image-8.png?resize=450%2C160&ssl=1)
月間成績で見ると巨人・広島が好調。
阪神・中日・DeNAはわずかに借金を作るのみとなっています。
5月に苦境に立たされたのはヤクルト。
勝率.318と大きく借金を作り5位とも引き離されてしまいました。
ただ上位が混戦なためまだなんとかなる位置だと思われます。
パ・リーグ
全体
![](https://i0.wp.com/l-data-daily.com/wp-content/uploads/2024/06/image-6.png?resize=530%2C162&ssl=1)
セ・リーグと異なりこちらは完全にAクラスとBクラスが分断。
言葉を選ばずに言ってしまえば1最強2強2弱1最弱という感じです。
ゲーム差的には3位と4位の間にセ・リーグの全球団が入るほど強弱がはっきりしています。
5月(5/2~6/2)
![](https://i0.wp.com/l-data-daily.com/wp-content/uploads/2024/06/image-5.png?resize=451%2C161&ssl=1)
ソフトバンクが相変わらず勝ち続けていますがそれをロッテが猛追。
日本ハムも非常にいいペースで勝っています。
いまだ20勝できていない西武ですが5月に限定すると最も苦戦したのはオリックス。
5月になって現在のAクラスとBクラスで成績が完全に二分しておりそれが全体成績にも影響しています。
得失点差
続いて得失点差で見ていきます。
「なぜ得失点差を見る必要があるの?」
と疑問に思った方は以下の折りたたみから見てみてください。
※結構長いです
「なぜ得失点差を見るの?」
と思う方もいると思うので解説をしますと(知っている方は飛ばしてください)
まずご存じの通り野球というスポーツは相手よりも多く得点を目指すスポーツです。
公認野球規則1.05
各チームは、相手チームより多くの得点を記録して、勝つことを目的とする。
よって純粋に考えれば得点が多く失点が少ないチームほど勝ちが多くなるはずですし実際にシーズン単位で見てもその傾向があります。
例えば貯金数と得失点差の関係は
先人の先行研究 によると
![](https://i0.wp.com/l-data-daily.com/wp-content/uploads/2024/05/image-2.png?resize=441%2C360&ssl=1)
という非常に相関が強いものになりさらに得失点差を4~5の数で割ると貯金数にほぼ相関します。
なので今回の分析でも4~5で得失点差を割ったものを推定貯金として算出しています。
この関係を式に落とし込んだものがピタゴラス勝率と呼ばれるものです。
得点と失点から勝率(貯金数)を推定することができます。
また同じ先人の先行研究によると接戦に強いチームというのは一貫性がないことが報告されています。
![](https://i0.wp.com/l-data-daily.com/wp-content/uploads/2024/05/image-3.png?resize=527%2C418&ssl=1)
上の図は
「もし本当に接戦に強いチームがあるならそれはランダムに試合を取っても一貫性が見えるはず」
という仮定から偶数番目の試合と奇数番目の試合を抽出し接戦での勝率を比較したものです。
この図から分かる通りそれはほぼ一貫性がなく、したがって
「接戦に強い(弱い)チームというのは恐らくだが存在しない」
ということが結論として言えます。
いやいや、「救援が強いならもっと接戦で勝てるはずだ」
と考える方もいらっしゃるでしょう。
実際私も肌感覚ではそう思うのですが実際にそれを調べたアメリカの論文だと
ピタゴラス勝率と実際の勝率の差を救援によって説明することはできませんでした。
下の図がその相関関係ですが
・最も防御率に優れた救援投手vsピタゴラス勝率と実際の勝率との乖離
・防御率上位5人の救援投手の成績合計vsピタゴラス勝率と実際の勝率との乖離
など幅広く分析しても相関関係は全く見られませんでした。
![](https://i0.wp.com/l-data-daily.com/wp-content/uploads/2024/06/image-10.png?resize=636%2C725&ssl=1)
つまり得失点差より実際の貯金数が多い・少ないというのはチームの特徴によって(現状は)説明がつかない
つまるところ実際の貯金数を見るよりも得失点差を見たほうがチームとしての力が見えるのです。
そういったことについてより詳しく解説しているnoteもありますのでよければそちらをどうぞ。
セ・リーグ
全体
![](https://i0.wp.com/l-data-daily.com/wp-content/uploads/2024/06/image-11.png?resize=314%2C157&ssl=1)
得失点差で見ると最強は広島。
ついで巨人・阪神と続きます。
AクラスとBクラスは得失点差できちんと分かれていますがやはり以外なのはヤクルト。
他の5球団は推定貯金と実際の貯金に極めて大きな差はありません。
しかしヤクルトは推定貯金では±0と実際の貯金と比べると10個も差があります。
得失点差からは(おそらくは運の悪さで)かなり負けてしまっているようです。
5月(5/2~6/2)
![](https://i0.wp.com/l-data-daily.com/wp-content/uploads/2024/06/image-12.png?resize=315%2C157&ssl=1)
5月限定で見ても最も好調なのが広島。
得失点差+20を稼ぎ妥当な数値と言える実際の貯金を4個も稼ぎました。
巨人は得失点差の割には勝っているようです。
他はかなり妥当ですがやはりヤクルトは過剰に負けてしまっているようです。
パ・リーグ
全体
![](https://i0.wp.com/l-data-daily.com/wp-content/uploads/2024/06/image-13.png?resize=315%2C157&ssl=1)
得失点差で見てもずば抜けてソフトバンクが強いです。
たいていシーズン序盤でこれぐらいかつチームは運が良かったりするのですがむしろ運が悪いぐらいという異常事態。
反面思ったよりも勝っているのが楽天にロッテ。
特に楽天はソフトバンクに0-33を食らってしまったのでお互いその後遺症のようなものがあるのかも?
私の贔屓の西武は残念ながら実力通りでした。
5月(5/2~6/2)
![](https://i0.wp.com/l-data-daily.com/wp-content/uploads/2024/06/image-14.png?resize=317%2C160&ssl=1)
5月に絞っても最も強いのはソフトバンク。
そして5月好調だったロッテ・日本ハムが続く形です。
順位表でもAクラスとBクラスで分断されていましたが得失点差から見ても妥当ということがわかります。
西武は実際の貯金でも苦戦してましたが推定貯金だと-11を記録するなどもっとひどいことに。
5月は散々な目に会いましたがそれでもなお運が良かったようです。
実際の戦力
では最後に各球団の戦力がどこから生成されているのか確認していきます。
確認する項目は
「投球・打撃・守備・走塁」です。
算出ってどうやるの?
という方は以下の折りたたみから見てみてください。
面倒な方はいい感じにやっていると思っていただければ大丈夫です。
※先日Xで投稿した戦力図とはPF補正のかけ方を修正したので微妙に値が変化しています。
※大きなところは変化ありませんがこちらのほうがおそらく正しいです。
算出に使った指標は
投球‥FIP
打撃‥wOBA
守備‥UZR
走塁‥UBR&wSB
になります。
投球・打撃にはPF補正をかけています。
それぞれの指標の詳細は以下の通り。
①FIP
守備の影響を取り除いた防御率のようなもの。
守備を別項目で算出するので防御率などの守備依存がある指標は使えずこういった投手だけの能力を測ったものを使用しています。
また投手本来の実力を示すという点でも防御率より優れており、翌年の成績との相関性も防御率より高いです。
②wRAA
打撃内容をより詳細に得点化し実際に何点その選手が平均よりも増やしたのかを測る指標。
例)
ヒットの得点価値は約0.7点ということがわかっています。
仮に50打数で打率.300と.200の選手がいた場合ヒット数は15本と10本と5本の差があります。
得点価値は0.7点なので0.7×5で3.5点分.300の選手が貢献したということが言えるのです。
③UZR
守備で防いだ失点を数値化した指標。
UZR+5点の選手は5点失点を阻止したと言えます。
④UBR&wSB
UBRが走塁で稼いだ得点、wSBが盗塁で稼いだ得点。
例えば他の走者よりも多く2塁からヒットで生還できるとUBRはプラスになります。
盗塁は成功すると0.2点、失敗すると-0.4点の得点価値があるのでそこから計算されます。
⑤PF補正
PF補正、またの名を球場補正。
プロ野球の球場は多種多様な形態があり得点が出やすい球場や出にくい球場があります。
それを補正するものです。
例えば本塁打のでやすさだと
神宮‥1.52倍
バンテリン‥0.73倍
他の球場より出やすいです。
これだと不公平なのでその分を補正をしています。
ちなみに算出に使っている指標がほぼ同じなので大体WARと同じになります。
セ・リーグ
全体
![](https://i0.wp.com/l-data-daily.com/wp-content/uploads/2024/06/image-16.png?resize=493%2C158&ssl=1)
戦力で見ると
巨人>広島>ヤクルト・中日>DeNA・阪神
という順番。
実際の貯金との乖離という意味だとヤクルト・阪神が大きいです。
逆にその他の球団はほぼ推定通り。
巨人は守備で大きくアドバンテージを取り不調な投球・打撃を支えています。
ヤクルトはなんと全項目プラスでやはり素の実力はあるなと感じさせます。
広島・中日はやや弱い分野はあるものの全体的に高水準。
阪神・DeNAは大きな武器となる分野がありますが他がマイナスという状況です。
かなり意外なのが阪神とヤクルト。
正直戦力図を見るだけだと両者の順位は入れ替わってもいいほど。
阪神は特に守備が大幅にマイナスなので改善が欲しいところです。
5月(5/2~6/2)
![](https://i0.wp.com/l-data-daily.com/wp-content/uploads/2024/06/image-17.png?resize=492%2C156&ssl=1)
5月に限定してみてみても基本的な傾向は変わらず。
特筆したいのが中日で打撃のマイナスをほぼ0にし最も戦力に溢れた5月を過ごしました。
貯金こそできませんでしたがチーム状態は非常にいいと思われます。
他に巨人・広島は流石のプラスを作成。
DeNAとヤクルトはちょうど対称的、同じぐらいの戦力ながらも実際の貯金数には大きな差が。
ヤクルトはかなり不運な5月を過ごしたようです。
最も大きなマイナスは阪神が記録し特に野手が悲惨な状態に。
パ・リーグ
全体
![](https://i0.wp.com/l-data-daily.com/wp-content/uploads/2024/06/image-19.png?resize=495%2C161&ssl=1)
戦力は
ソフトバンク>>日本ハム>ロッテ>>オリックス>楽天>西武
実戦力でもソフトバンクは圧倒的な強さ。
特に守備力は圧巻の一言でこれほどまでに守備で稼いだチームはここ10年では皆無。
そんなソフトバンクに次ぐロッテ・日本ハムはきちんと戦力があることがわかります。
逆にBクラスの面々は妥当な戦力を計上。
野手が壊滅的なオリックス。
いいところがほとんどない上に致命的な弱点持ちの楽天・西武という状態です。
まだシーズンは60%以上残っていますが戦力としては巻き返すのがかなり厳しそうに見えます。
5月(5/2~6/2)
![](https://i0.wp.com/l-data-daily.com/wp-content/uploads/2024/06/image-20.png?resize=494%2C155&ssl=1)
5月に限定してみても傾向は全く変わらず。
全てにおいて弱みを見せなかったソフトバンク・ロッテ。
圧倒的な打撃力を見せた日本ハムのAクラス陣は高水準の成績。
ロッテも日本ハムもまぐれでソフトバンクに食いついているわけではないようです。
Bクラス陣では投手が光るものを見せたオリックスはやや下振れを感じさせる数値に。
楽天は守備が大きなマイナスですがそれ以外は致命的なマイナスを防いでなんとか粘っています。
悲惨なのが西武。
何もかもがマイナスなことに加え投球・打撃ではリーグダントツでワースト。
源田・外崎選手の守備能力の衰えも見えてきてしまっています。
ひどすぎる‥
各球団の詳細
各球団の詳細はXで貼った通りなのでリンクをはっつけておきます。
ただ上の項目で述べた通り数値がこの記事と巨人とパ・リーグは異なっています。
それらの球団は修正版を貼っています。
数値の算出方法は戦力図の算出と同じになります。
また「その他」は代打・走塁・投手・DHの合計となります。
他に注意点としてはこれは各ポジションごとの比較なので「ポジション補正」は関係ありません。
例えば2022年の村上選手のような異次元の存在がいれば他のサードは大概マイナスになります。
あくまでポジションごとの比較と考えてください。
西武
![](https://i0.wp.com/l-data-daily.com/wp-content/uploads/2024/06/image-22.png?resize=814%2C460&ssl=1)
楽天
![](https://i0.wp.com/l-data-daily.com/wp-content/uploads/2024/06/image-23.png?resize=814%2C460&ssl=1)
オリックス
![](https://i0.wp.com/l-data-daily.com/wp-content/uploads/2024/06/image-24.png?resize=814%2C460&ssl=1)
日本ハム
![](https://i0.wp.com/l-data-daily.com/wp-content/uploads/2024/06/image-25.png?resize=814%2C460&ssl=1)
ロッテ
![](https://i0.wp.com/l-data-daily.com/wp-content/uploads/2024/06/image-26.png?resize=814%2C460&ssl=1)
ソフトバンク
![](https://i0.wp.com/l-data-daily.com/wp-content/uploads/2024/06/image-27.png?resize=814%2C460&ssl=1)
ヤクルト
DeNA
中日
阪神
広島
巨人
![](https://i0.wp.com/l-data-daily.com/wp-content/uploads/2024/06/image-21.png?resize=814%2C460&ssl=1)
まとめ
というわけでデータで2024年の5月までと5月をまとめてみましたがいかがだったでしょうか?
簡潔にこれまでをまとめつつ展望と先月の私の予想を振り返ると
セ・リーグ
・阪神は見た目ほど戦力がない
・ヤクルトは見た目より戦力がある
・その他4球団は概ね見たまま通り
・5月は中日が好調
・巨人・広島・中日あたりで叩きあいが起こりそう
・阪神はやや下位へ落ちていきそう
・ヤクルトはもう少し勝っていきそう
・DeNAは投手陣次第
・ヤクルトが上位に進出し阪神がやや落ちる
→△ ヤクルトは外れたが阪神は当たった
・このためこの2チームの上位争いが起き、残り4チームは4チームで争うことに。
→☓ まるで当たっていない
・その中では巨人がやや実績のある選手が多いので優位かも。
→◯ 巨人が1位になっているので当たり
パ・リーグ
・ソフトバンク最強!最強!
・ロッテ/日本ハムもいい感じな戦力
・オリックス/楽天/西武はやや戦力的に厳し目
・5月は特に西武が悲惨だった
・ソフトバンクがけが人続出なので勢いは弱まりそう
・日本ハムのほうが戦力はあるので2位日本ハム3位ロッテになりそう
・オリックスはもう少し上がっていく
・5位争いが楽天と西武で起きる
・ソフトバンクが変わらず抜け出すものの勢いはやや鈍る
→◯ 実際の貯金数も推定貯金も戦力も微減したため
・西武がAクラス争いができるぐらいにまでは上に上がる(願望)
→☓ はい
・日本ハムが他の4球団に吸収される
→☓ 大外れ 抜群に良い戦力でした
まとめ
というところで今回の記事はこれにて終わろうと思います。
自身の肌感覚と数値で見ることに差はあったでしょうか?
何かしら議論の種にしてくれたり純粋に楽しんでくれてたら嬉しい限りです。
推察などでイラっとしてしまったかもしれませんが私なんぞの予想など上で書いている通りまるで当たりません。
あくまで一意見として見ていってくれればと思います
好評なら今後もやろうかなと思うのでよければ是非ブログ村の得点だったりXでの宣伝よろしくお願いします。
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